「二人が仲良くなればなるほど、歌でバチバチしている」 She is Legend(XAI×鈴木このみ)6/9札幌公演開催直前スペシャルインタビュー

ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』。その劇中バンド・She is Legend(以下「シーレジェ」)は、ゲームの世界を飛び出しライブ活動を本格化。昨年から今年にかけて行われた初の全国ツアーは大成功を収めました。そのツアーの熱が冷めやらぬ3月27日には2ndアルバム『春眠旅団』をリリース。5月11日からは『She is Legend Zepp Tour 2024 “We are 春眠旅団”』がスタートしています。

6月9日(日)に控える札幌公演を前に、ボーカルを務めるXAIさん、鈴木このみさんから、前回のツアーを経てシーレジェがどう進化したのか。また、新作『春眠旅団』の魅力やライブへの意気込みを語ってもらいました。

初の全国ツアーで実感したファンの熱量。構築された二人の信頼関係

前回ツアーでの札幌公演の様子

――前回の札幌公演のMCで「いつかZepp Sapporoでライブしたい」と言われていました。早くも夢がかないましたが、今どのようなお気持ちですか?

XAI:まさかこんなに早く!って驚きましたが、やっぱり緊張感はありますね。前回よりも進化した姿をお見せしなければならないという気持ちがあります。

鈴木このみ(以下「鈴木」):あのMCはけっこう本気で言ってたんです。それが1年後にかなうなんてホントすごいことだなって思います。ファンの皆さんのおかげだって、あらためて感じます。

――前回の札幌公演の印象、地元ファンの印象はいかがでしたか?

XAI:すごく熱かった印象です。ライブの前に緊張をほぐすために外にコーヒーを買いに行ったんですけど、ライブTシャツを着ている方がいて。「寒くないですか?」って聞いたら「この後のライブが楽しみなんで、全然大丈夫です!」って言ってくださったのを鮮明に覚えています。一緒にライブを楽しもうっていう感じだけでなく、前のめりに楽しんでくださる方が多い印象でした。

鈴木:入場のときから歓声が熱くて、仕上がった“プロのお客さん”みたいな人がいっぱいいて(笑)。ツアーの最初はシーレジェとしての形を手探りしていたんですが、進めていくごとに自信が付いてきました。札幌公演はちょうど転換点になったイメージ。それぐらい二人の距離が縮まっていましたし、パフォーマンスも自信を持ってやれていた。それがちゃんと伝わったのかなと思います。

前回ツアー札幌公演終了後の記念撮影

――ある意味で、あの時会場に来た方にとっては貴重な瞬間だったということですね。ツアーファイナルでは2ndアルバム「春眠旅団」の発表もありましたが、ファンの方の反応はいかがでしたか?

XAI:あの時はお客さんとの距離がすごく近くて、真剣に見てくださっている表情が印象に残っています。オーッ!とかじゃなくて、かじりついて見てくれていた気がします。次なる展開を受け止めてくれている姿が、私たちももっと身を引き締めて活動していこうと思いました。

鈴木:自分たちの口からお知らせできるのが、すごくうれしかったです。あのときの皆さんのキラキラした表情が忘れられません。この顔が見られるなら、なんだってする!みたいな気持ちになりました。

Zeppツアーに向けて作られたかのような、生命力あふれる新作『春眠旅団』

2024年3月27日にリリースされた2ndアルバム『春眠楽団』

――結成から2年、全国ツアーを経てさらにパワーアップしたアルバムになったかと思います。どのような作品に仕上がったと思いますか?

XAI:プロデューサーの麻枝 准さんも、ライブがすごい格好良いと言ってくださいました。あのツアーがあったからこそ、一緒に盛り上がれる楽曲、ライブ映えする楽曲をたくさん詰め込んだ内容に仕上がっています。

鈴木:ツアーをやりながらでの制作だったので、余計に“ライブ”というのを意識して作ってくださったんだと思いますし、私たちの歌もライブぐらい暴れているかも(笑)。前作と比べて良い意味で荒々しさがある、ライブ感や生命力があふれる作品になったと思います。

――タイトル曲『春眠旅団』はやはり大切な曲だと思います。お二人にとってのこの曲の印象は。

XAI:今までは内省的な楽曲が多かったと思いますが、この曲はそれが一気に開けた印象です。『ヘブバン』のキャラクターたちは苦しい現実が在る中で、暴れまわるんじゃなくすごくポジティブ。一番最後に「夜明けだ 行こうか」という歌詞がありますが、それが私たちに歌ってほしいメッセージだと受け取りましたね。

鈴木:ラウドロックユニットとしてゴリッとした曲なのかと思ってデモを聞いてみると、めちゃくちゃ“美メロ”!だから最初は驚きましたが、麻枝さんがこの曲で勝負する気持ちも伝わりました。私たちの原点である曲『Burn My Soul』と同じフレーズ「孤独の果ても虚数の海も」が入っていて、シーレジェもそこを飛び越えて行けって言われているような感じがしました。

XAI:だから、まずはやっぱり『春眠旅団』を聞いてほしいですね。これが私たちの新しい姿、新たな幕開けだ!って感じた楽曲なので。

鈴木:あと、『World We Changed』(10曲目)も!私が個人的に刺さった曲です(笑)。ぜひライブ前にこれを聞いて、戦闘力を上げてきてほしいなと思います。

5月11日に開催された東京・Zepp Haneda公演の様子

――新作発表により新たなステージに進んだ一方で、ゲームのキャラクターの魅力を背負っている面もあるかと思います。そのプレッシャーはやはりありますか?

XAI:ゲームの中の彼女たちにとっては、日々戦っている中でのホッと一息つける瞬間がライブ。日々のうっぷんを曲にしているので、その感覚を自分たちのライブに落とし込んでいます。ただ、最近はちょっと一歩進んで、私と鈴木さんでやっている“She is Legend”、“アーティスト”って意識も芽生えてきたような気がしています。

鈴木:もともと麻枝さんの作品には、いちファンとして触れてきました。麻枝さんの作品に込められた切なさって、やっぱり歌が重要な鍵になっています。だからこそ、自分がその役割を担うだけでなく、私自身に“朝倉可憐”というキャラクターが重なっているプレッシャーはあります。一方で、麻枝さんが私を選んでくださったということは、何らかの自分のエッセンスを求められているんだと思います。そのバランスをずっと探っていますね。

お互いの力を高めあい、より進化した姿を。“真剣勝負”で臨む札幌公演

東京公演での一幕

――前回のツアーでは長い時間を共に過ごし、お互いの信頼関係やリスペクトの気持ちが強まったのかと思います。札幌公演では、パワーアップしたお二人の姿が見られそうですね!

XAI:前回はシーレジェがどんなユニットなのか、二人でパフォーマンスする意味などを考えながらの公演。その思いや、やってきたことが結実したのがファイナル公演でした。それを超えてきた私たちはすごく戦闘力が上がった!今回のアルバムはライブ映えを意識した楽曲が増えたので、私たちもファンの皆さんも、休む暇がない“真剣勝負”みたいなライブになると思います。

鈴木:期待を寄せてもらっているのをすごく感じています。実はまだレコーディング中の未発表曲もあり、楽曲の幅はまだまだ広がっていきます。私たちが今まで見せたことがないような顔を見せられるツアーになると思います。

XAI:ラスボスを倒したと思ったら、さらなる強敵が現れた感じです(笑)。また違った激しさが始まったと思っています。

――前回のファイナル公演の延長線であり、新シーズンに突入ですね。

鈴木:SNSで「二人が仲良くなればなるほど、歌でバチバチしているのが最高」ってコメントを見かけました。本当にそうだなと思う。シンガーとしては全然タイプが違う二人ですが、お互いに認め合えているし、ツアーを通じて距離が縮まって……。その結果、ステージでバチバチ戦ってます(笑)。どうですかXAIちゃん?

XAI:そう思います(笑)。先日の東京公演では、鈴木さんが台に登ってるから私も登ろう!とか対抗心を燃やしつつ、曲の〆に二人の息がバチッとはまる瞬間があってすごい感動しました。それって前回のツアーの経験が生んでくれたものだと思うし、今回のツアーでもそういう瞬間がたくさんあったらいいなと思います。やっぱりステージの上でしか育たない信頼関係ってあると思うんです。

鈴木:私たちって、これまでのツアーだけでなくソロ活動でもいろんな経験をして、それぞれが合わさることですごいレベルアップしている。相手の輝きがより増している瞬間を、お互いに感じていると思います。

東京公演の様子。歌でぶつかり合う二人

――ある種ライバル的な存在であり、仲間であり、追っていく背中であり。それが化学変化を生み、より高まっていくんですね。余談ですが、せっかくの札幌公演です。やってみたいことはありますか?

XAI:前回は失敗したところもあってもうシクシク……。鈴木さんと一緒にコンビニでマスカットを買って、それを食べながら話を聞いてもらってすごくうれしかったです。今回は全力で燃え尽きようと思っているので、ライブの後はすがすがしい気持ちで“夜パフェ”とか食べに行きたいなと(笑)。

鈴木:憧れのZepp Sapporo。まずはそこから見える景色を楽しみたいです。あとはファンの皆さんと話してみたい。シーレジェのライブってストイックに音楽をたたみかけるスタイルなんですけど、今回はかなり激しいセットリスト。トークを挟まないとしんどい瞬間があるかも(笑)。

――ありがとうございました。最後に北海道のファンの皆さんに一言お願いいたします。

XAI:今回のツアーは、さらに手強いツアーになっています。そこで私たちもどんどん変化、進化していきたい。一緒に手強い敵と戦うような気持ちでライブに参加していただきたいと思います。

鈴木:前回は皆さんに助けてもらった瞬間がいっぱいあったし、みんなの顔を見るためだったら何でもする!って気持ちが明確に芽生えました。そこからさらに高みを目指すZeppツアーということで、もっともっと格好良い姿を見せていけるように精いっぱい頑張ります!

東京公演終了後の記念撮影

She is Legend

2022年、ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』において誕生した、XAIと鈴木このみによるラウドロックユニット。麻枝 准が全楽曲の作詞・作曲・プロデュースを手がけ、世の不条理を、生まれ落ちたことへの問いかけを、時に切なく、時に激しく歌い上げる。
2023年に行われた初の全国ツアー『She is Legend Live Tour 2023 ”Extreme Flag”』は、全公演のチケットが即日SOLD OUT。2024年5月11日からは、2ndアルバム『春眠旅団』をひっさげ、全国5カ所をめぐる『She is Legend Zepp Tour2024”We are 春眠旅団”』がスタートした。

She is Legend Zepp Tour 2024 “We are 春眠旅団”

6月9日(日)
会場:Zepp Sapporo(札幌市中央区南9条西4丁目4)
時間:開場 16:00 / 開演 17:00
料金:前売 7,700円
問い合わせ:011-261-5569(SMASH EAST)

詳細は、以下の公式HPをご確認ください。
■She is Legend Zepp Tour 2024 “We are 春眠旅団” ライブ特設サイト
https://she-is-legend.com/shunmin_zepp/

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インタビュー:山下恭平

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