大卒ですが、就職先が「手取り13万円」で辞めたいです。「残業ゼロ」ではありますが、転職するなら早いほうがいいですよね…?

「手取り13万円」の額面と年収

一般的には、額面金額の約75~85%相当が手取りになるため、本記事では「額面金額の80%が手取りになる」と仮定します。そうすると、「手取り13万円」の場合の額面金額は「16万2500円」となり、単純計算で年収は「195万円」ということがわかります。この年収「195万円」を参考に、次項以降にて、年収比較を行います。

20代前半の平均給与と比較

国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査によると、20~24歳の平均年収は「273万円」です。単純計算では毎月「22万7500円」となります。今回のケースの年収「195万円」毎月「16万2500円」と比較した場合、20代前半の平均給与よりも28.6%も給料が低いことがわかります。

20代後半の平均給与と比較

前項同様、国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査によると、25~29歳の平均年収は「389万円」です。こちらも単純計算では毎月「約32万4160円」となります。こちらも今回のケースの年収「195万円」、毎月「16万2500円」と比較した場合、20代後半の平均給与よりも50%ほど給料が低くなってしまいます。

同年代と比べて年収が低く、転職活動も視野に入るか

前項、前々項の結果より、同年代の人の平均年収と比較した場合に給料が低いことがわかりました。今後の給与アップが見込めるとよいのですが、そうでなければ転職活動を視野に入れたほうが良いかもしれません。

転職時のメリット

「転職は若い人が有利」と言われることも多いです。主な理由としては、「長期的に働くことのできる人材」を会社側は確保できるためです。また、年齢の高い人は「即戦力となるか」により判断されてしまうことがありますが、年齢の若い人の場合は、会社側が長期的な育成を視野に入れて採用を検討してくれるケースもあり、全く経験のない業種であっても比較的飛び込みやすいでしょう。

転職時の注意点

転職時の主な注意点は、「転職回数を多くし過ぎないこと」です。もちろん、自分に適した職場でないのであれば、転職活動は視野に入れるべきですが、転職回数が多すぎると、面接官から「この人は採用してもすぐに辞めてしまいそうだ」と思われてしまうかもしれません。実際に「何回以上転職している人は面接しない」という独自の基準を設けている会社も存在するようです。

転職活動の情報収集は時間をかけて

転職活動をすると、自分自身の市場価値を測れたり、新たな可能性や興味のある仕事を発見できたりと、様々な気づきを得られるはずです。また、様々な会社を見る中で、逆に「今勤めている会社の良さ」を再発見できることもあるでしょう。

もちろん転職活動は、勤めている会社の許可を必要とするものではありません。転職サイトなどに登録し、情報収集をしながらスカウトを待つなど、状況に合った利用方法が可能です。現状、転職を考えていなくても普段から時間をかけて情報収集を行い、いつでも行動できるように準備をしていてもよいかもしれませんね。

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―

執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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