LINEグループ「先生」の送金先がわからない…相談受け、詐欺見抜いた銀行員の“アンテナ” 沖縄

浦添署の砂辺操署長(左端)から感謝状を受け取った沖縄海邦銀行浦添支店・港川支店の金城めぐみさん(中央)と照屋美和さん(左から2人目)ら=22日、浦添市仲間の浦添署(提供写真)

 【浦添】浦添署(砂辺操署長)は22日、70代女性が詐欺に遭っている可能性があると警察に通報し、被害を未然に防いだとして、沖縄海邦銀行浦添支店・港川支店の職員、金城めぐみさんに感謝状を贈呈した。砂辺署長は「不自然なことがあれば、積極的な声かけと警察への通報をお願いしたい」と述べた。

 浦添署などによると、女性はネット上で偽の投資広告にアクセスし「先生」と呼ばれる者と連絡を取り合うようになったとみられる。「送金したいが振込先の口座がわからない」と窓口に訪れた。通信アプリLINE(ライン)のやりとりで「参加するグループの中に何百万も儲かった人がいる」などと話していたという。

 女性はライン上で「FX(外国為替証拠金取引)ですごく儲けている。金を預けたら何倍にもして返す」などと話を受けグループに参加。グループのチャットには「(著名人の)○○さんがやっているから信用できる」「50万の振り込みで200万返ってくる」などとメッセージが並び、個人名義の銀行口座に入金するよう催促があったという。

 窓口対応にあたった照屋さんは「ラインだけで個人宛ての振り込みはおかしい」と考え、上司の金城さんとともに女性に詐欺の可能性を訴えた。「日頃から詐欺について勉強していたのでアンテナが立っていた」と振り返った。金城さんは「約2年前に別の店舗で同様の詐欺を防げなかったことがあった。大切なお客さまの資産を守れて良かった」とほほ笑んだ。

(西田悠)

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