子育て中の親から反響 現役の児童精神科医が伝える“子どもの本音” 自身の育児も赤裸々に語る 名古屋

今、子育て中の親たちの間で反響を呼んでいる本、「子どもが本当に思っていること」。「もっと早く読みたかった」「涙なしでは読めない」など、多くの声が寄せられているということです。著者は、名古屋の児童精神科医でシングルマザーの女性です。

発達障害で不登校の娘を育てるシングルマザーの著者

児童精神科医であり2人の娘を育てているシングルマザーの「精神科医さわ」さん(40)。 名古屋市天白区にある「塩釜口こころクリニック」で、毎月約400人の親子の診察を行っていて、これまで延べ3万人以上の診察に携わってきました。 「同じ母親である先生の言葉がとても心強く、日々のSNSの発信にも救われている」などと患者らから信頼を寄せられている、さわさん。 子どもたちの心の声を「本にまとめたい」と考え、2年間準備を重ね、4月に著書「子どもが本当に思っていること」を出版しました。 「児童精神科のクリニックに5歳以上の子どもが来てくれるので、その子どもたちが診察室で話していることや、私が発達障害で不登校の娘を育てているシングルマザーということもあって、決してうまく子育てができているわけではなくて、一筋縄ではいかなかった育児だったと思うので、そういう話も本の中に赤裸々に書いています」(精神科医さわ さん)

「子育てが不安なお母さんに伝えたい」

気になる本の中身は…子どもの心の声が50個紹介されています。 児童精神科医として、多くの子どもたちと接し、くみ取ってきた心の声です。 お母さんたちに「子どもって、こんな風に思っているんですよ」ということを伝えることで、子どもとの関わり方が変わっていき、結果的に安心して子育てができるようになっていけると、さわさんは言います。

ちゃんと私を「見て」「聞いて」「信じて」

本の中でさわさんは、「子どものためにと必死に頑張る」ことが、実は親子関係を悪化させることにも繋がる…と諭しています。 「心配性の親御さんというのは、子どもが自分の気持ちを口に出すのを待てませんし、子どもの様子を見ているようで、実は見ていません。心配だから正解を求めたくて尋ねるのはわかりますが、その答えをもっているのはお子さん本人なのです。 子どものことをちゃんと見て、声を聞いて、信じるというのは、頭ではわかっていても『じゃあ、どうすれば?』と思うかもしれません。『見ない、待てない、気づかない』の裏返しは、ただ笑顔で、愛情を持って、子どもを見守るということです」(※本の一部を編集、抜粋しています) 「言っても伝わらないと、あきらめる子どももすごく多いと感じる。親は親で子どもが何考えているかわからないっていう人もいて、子どもも聞いてほしいと思っているのに、親も聞きたいと思っているのにすれ違っている親子関係は多いと思っているので、この本をヒントにしてくれたらいいなと思います」(精神科医さわ さん)

書店で売り切れ続出!オンライン書店では3週連続1位に

初めて書いた本にも関わらず、書店で売り切れ続出。 オンライン書店「Rakutenブックス」では、教育心理の部門で、5月6日から3週連続で1位に。 さらに、海外からの翻訳版のオファーもあり、名古屋から世界に発信できる機会になるかもしれません。 「本当に書いてよかった。この本を通して、生きることがつらいと思う子どもたちが少しでも減ったらいいなと思います。優しい社会になることをすごく願っています」(精神科医さわ さん) (メ~テレ医療・教育担当記者 小澄珠里)

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