互いを認め合える一歩に「まんまる音楽劇」障害かかわらず9月1日、金沢公会堂の舞台へ 横浜市金沢区・横浜市磯子区

立ち稽古をする参加者

障がいや成長の差にかかわらず、それぞれの表現方法で思いを伝え、お互いを認め合える一歩になればと、子どもが主体の音楽劇「まんまる音楽劇」の初めての公演に向け稽古が進められている。主催は障がいのある子どもを持つ母親らでバリアのない社会づくりを目指す「どたばた子育て応援隊(中村洋子代表)」。中村代表は「ありのままを認めることの大切さを劇を通して感じてほしい」と話す。

どたばた子育て応援隊は2023年5月に結成。障がいのあるなしに関係なく、ありのままを認め合える社会を目指している。障がいがある子どもと家族の居場所づくりなどをしてきた中村代表が子どもの「できない」ことにとらわれがちな保護者の話を聞く中で、「子どもたちは必ず成長する。できることがいっぱいあることを伝えたい」と、地域で劇団を主宰する木暮寿子さんと表現方法の一つである音楽劇をつくることにした。

昨年8月に5歳から15歳の出演者を公募。普通学級、個別学級、特別支援学校に通う子ども28人が集まった。9月から表現練習を始め、今年1月に台本を見ながらの稽古を開始。現在は、9月1日の金沢公会堂での公演に向け、原則毎週日曜日にビアレ横浜=同区並木=の会議室で稽古を行っている。

「できる姿」みせたい

5月18日に行われた全体練習では、発声練習や立ち稽古を実施。劇に出演することをきっかけに友人になったという富岡中2年の山田荷瑚さんと金沢中2年の女子生徒は「障がいなんて関係ないし、障がいだと判断する人がおかしい。私たちだってできるんだよというのをみせたい」。六浦小6年の片倉もも子さんも「(障がい)は周りの大人がいうこと。何にも変わらないよ」と毎週の稽古を楽しみに通っているという。

脚本・演出を務める木暮さんは「子どもたちの発表会ではなく、照明や音響、大人の役者も入れ、本格的な芝居で公会堂に立たせることが目標。こんなに頑張れる子たちがいることを知らせたい」と意気込む。

舞台創作の一つである大道具制作の費用として4月にクラウドファンディングを実施。約118万円の支援が集まった。「6月からの大道具づくりの手伝いを募集している。ぜひ稽古を見にきてほしい」と中村代表。稽古日程など詳細はホームページ「まんまる音楽劇」で検索を。(問)dotabata2023@gmail.com

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