きょうは「ゴミゼロの日」 きっかけは高度経済成長期のレジャーブーム 530発祥の地・愛知県豊橋市

5月30日は語呂合わせで「ゴミゼロの日」。Xで「ゴミゼロ」と検索すると、清掃活動の実施やごみを減らす取り組みを紹介する投稿を多く見つけました。きっかけとなった「530(ゴミゼロ)運動」は半世紀前に愛知県豊橋市から始まりました。

5月30日朝、豊橋市役所周辺では登庁前の市職員ら約1600人が道端のごみを拾い集めていました。530運動の目的は「ごみを拾う」ことだけでなく「ごみ拾いを通じてごみを捨てない心を育む」ことです。 豊橋市では官民が一体となって、まちぐるみで環境美化活動に取り組む「530運動環境協議会」が組織されていて、市が事務局を務めていています。

530運動のはじまり

協議会によると、530運動の始まりは高度経済成長期にさかのぼります。マイカーの普及などでレジャーブームが到来し、豊橋市では郊外の自然歩道を散策する人たちが増加する一方で、山道に捨てられる大量のごみが問題になっていました。 こうした状況に危機感を覚えた豊橋山岳会の夏目久男会長が「自分のごみは自分で持ち帰ろう」と530運動の推進を市へ提唱し、賛同した市が各種団体に協力を呼びかけて、1975年に約12万人が参加しての一斉清掃活動が開催されました。 以降、豊橋市では春と秋にそれぞれ530運動を展開していて、理念に共感したほかの自治体でも同様の取り組みが広がっていきました。

ごみから資源へ

そして「ゴミゼロ」の考えは、今や「ごみを拾う」という行為に留まらず、「ごみを減らすこと」や「ごみからの資源の回収」にも解釈され、近年のSDGs(持続可能な開発目標)とも重なっています。 たとえば、神奈川県相模原市では焼却したごみから金や銀、レアメタルの1つのパラジウムを回収していて、昨年度は2700万円余りの収入見込みになったということです。

530運動は来年50周年

来年50周年を迎える豊橋市の530運動。協議会は「ごみをポイ捨てしないのはもちろん、ごみがなるべく出ない暮らしへの転換など次の世代に緑豊かで、きれいな地球を残すべく、市民・事業者・行政が一体となって今後も活動に取り組んで行きたいと思います」としています。

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