【全日本】世界ジュニア王者・ライジングHAYATOがV3戦に闘志「俺と阿部史典は盆栽なんだよ」

会見に出席した阿部史典(左)とライジングHAYATO

全日本プロレスの世界ジュニアヘビー級王者・ライジングHAYATO(25)が、3度目の防衛戦に向け静かに闘志を燃やしている。

29日の後楽園ホール大会で阿部史典(29)に卍固めでギブアップ負けを喫し、挑戦を表明された王者は快諾。6月9日の岐阜・じゅうろくプラザでの王座戦が決定した。

後楽園大会から一夜明けた30日、都内で開かれた会見に出席したHAYATOは「昨日、阿部ちゃんからタップアウト取られて、いろんな感情が頭をよぎったんだよ。悔しい、痛い、苦しい。そして、ちょっとだけうれしかった」と不敵な笑みを浮かべた。

過去に「一番怖いレスラー」に阿部の名前を挙げたことがあるという王者は「他のプロレスラーはプロレス農園っていう農園で、できるだけプロレスという果実を実らせようと必死にもがいてる中、俺と阿部史典がやってることは盆栽なんだよね」と独特な見解を語り始めた。

その後もたそがれながら「盆栽は別に外が雨でも嵐でも関係ない。ただ自分の思い描く作品をつくって世に届ける。これは俺だけのものだと思ってた。でも、ふと横を見たら、阿部史典も必死に自分の盆栽だけを見て枝を切ったり眺めたりしてた。俺はそれがとてつもなく怖かった」とまたも独自な雰囲気を醸し出し、まっすぐに阿部を見つめた。

3月に田村男児から奪取するとMUSASHI、GLEATのカズ・ハヤシと大先輩を相手に好勝負を生み出してきた。3度目の防衛戦でも、阿部と良き〝盆栽〟を製作したい王者は「俺が持ってるこの世界ジュニアっていう大事な恋人をかけるっていう形式で、俺は1人のレスラーとして、阿部史典に勝敗でも勝敗以外でも勝ちたい」と言い放った。

王者の独特過ぎる世界観にも「すごい腑に落ちるものがあった」と阿部は感心。「彼の考えと自分の考えをぶつけ合っていい作品、いい歌をつくりたい。その上で最後は俺の方が強いぞと。世界ジュニアを自分が奪い去って、彼に(ベルトへの)未練を与えたい」と宣戦布告していた。

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