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攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第40回は、サガン鳥栖のDF木村誠二だ。
2020年にFC東京でプロデビューもなかなか出場機会を得られず、その後は京都サンガF.C.、SC相模原、モンテディオ山形に期限付き移籍。2022年夏にFC東京に復帰したが、今季は再びレンタルで鳥栖に活躍の場を移し、新たな挑戦のシーズンを迎えている。
そんなパリ五輪世代の22歳センターバックが心がける、“バイタルエリア”を相手に簡単に使わせないための守備の意識とは――。
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失点しないためには、そもそも相手にバイタルエリアに入らせないのが大事。今の鳥栖だったら、前から守備にいって奪えば、その後の攻撃にも速く移れるので、そこを意識しています。
最終ラインの選手との距離感、ポジショニングも大切。センターバック同士の間が極端に開いたり、センターバックとサイドバックの間が空いていると、相手に走られるスペースやボールを出せるスペースができてしまうので危険です。
そこは常にディフェンスラインだけじゃなく、前の選手とも連係して声掛けも常に行なっていますし、全員が共通して認識していかないといけない部分です。
バイタルエリアで相手の中盤にボールが入った時は、まずインターセプトを狙う。もちろん高い位置だと、背後をとられる可能性を考えて、前の選手のパスコースの限定が必要になってくる。でも低い位置であれば背後のスペースは少ないし、キーパーも出てきてくれるので、積極的に奪いにいく意識をしています。
そんなバイタルエリアでのプレーが上手いと思うのは、U-23日本代表でも一緒にプレーした(荒木)遼太郎。センスがあるというか、そこにパスを出せるのか、みたいな。パスでゴールに結びつけられたり、チャンスメイクが多い選手で、才能なのか分からないですけど、本当に上手いなと思います。
常に相手の危険な位置に顔を出して、待って、ボール受けたら前を向ける選手は多くはない。前を向けるパスだけじゃなく、その位置取りも上手いんです。
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木村は今季、FC東京から鳥栖に期限付き移籍。これまでのプロ生活で、1年を通して先発出場し続けた経験が少ないため、“今度こそは”と並々ならぬ思いを持って新天地での新シーズンへ臨んだ。
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年間を通して試合に出続けた経験がないので、開幕からずっと試合に出続けたいとの思いで鳥栖での新シーズンに向かいました。
チームとしては、今はかけ離れた順位(15試合終了時点でJ1・17位)ですけど、J1優勝を狙えるような位置にチームを持っていきたいと思っていましたし、その試合に出れたら、守備の部分でしっかり守れるという周りからの評価を獲得したいと思っていました。
確かに僕はこれまでのプロキャリアで、スタメンで出続けられていなかった。去年、FC東京でチャンスをもらって、良いプレーができた試合があっても勝てなかったり、良くない試合はとことん良くなくて、結果にかなり響いた試合もあった。
全然うまくいかないイメージはあったんですが、幸いなことに、アンダー世代の代表にはずっと呼んでいただいていた。毎回毎回、その代表の遠征の中で、レベルの高い同年代の仲間から良い刺激をもらって、もっと頑張らなきゃと思って、常に努力を怠らないよう、頑張ろうと思ってやってきました。
出場機会を得られないのは悔しかった。なんで使ってくれないんだと思ったこともあった。でも自分の実力が足りてないのはもちろん分かっていたので、じゃあ頑張るしかないよねと。本当にそれだけだった。投げやりになるんじゃなくて、ただただ頑張ろうという気持ちでした。
U-23日本代表として出場したU-23アジアカップから鳥栖に帰ってきてからの5月は、ここまで4試合連続で先発。試合に続けて出られているのは嬉しいことですけど、もっともっとチームに良い影響を与えないといけないと感じています。
※後編に続く。次回は5月31日に公開予定です。
取材・構成●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)