クマの目撃件数が前年から大幅増の秋田市 箱わなの増設や自動カメラの設置など被害防止対策を強化へ

秋田朝日放送

前の年と比べクマの目撃件数が大幅に増えている秋田市で30日対策を検討する会議が開かれました。箱わなを増やしたり、自動撮影カメラを設置したりして捕獲対策の強化に乗り出します。

4月から5月28日まで秋田市に寄せられたクマの目撃件数は65件と、2023年よりも23件増えています。中でも、新屋や向浜、豊岩地区などが最も多く、17件、手形・広面地区が11件となっています。前の年よりも2基多い12基の箱わなを設置し、これまでに6頭が捕獲されました。

今後の対応を共有しようと30日秋田市が開いた連絡会議では全ての小中学校の児童生徒にクマよけ鈴を貸与することなどが報告されました。また、捕獲対策を強化するため箱わなをさらに4基増やし、目撃情報のあった地域に設置します。さらに、リアルタイムでAIがクマのみを判別して撮影する自動カメラを購入し、警察と猟友会と連携して迅速に対応します。6月中の導入を目指しています。

このほかに、見通しの良い緩衝地帯を整備し、クマの出没を抑制する藪払いを御所野ニュータウン周辺や外旭川地区などで行います。

市街地でクマの目撃が相次ぐ理由は何なのか。日本ツキノワグマ研究所の米田一彦さんは2023年の大量出没で比較的若いクマは本来いるべき山から人里に追いやられる形になってしまい市街地で越冬したクマが多くいたとみています。

米田さんによりますと、野生のクマの寿命は概ね25年くらいだということです。そのうえで、市街地にいるクマにとって「住めば都」状態になってしまうと山には戻らず対策をしなければ生涯を市街地で過ごす恐れもあると話します。

クマにとっての「住めば都」にならないようクマが隠れやすいやぶなどを整備することや外にクマのえさとなるコンポストなどを管理することさらに農作物の管理も重要となります。

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