1992年、GT-R時代続く。第6戦までJECS、カルソニック、共石が2勝ずつという激戦!【グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(9)】

ツーリングカーレースが日本で一番熱かった9年間を1冊にまとめた「グループAレースクロニクル1985-1993JTC9年間の軌跡(モーターマガジン社/2970円)」が好評発売中だ。ここでは、そこからの抜粋をお届けする。

GT-Rによる大混戦の時代 インターTECは共石が勝つ!

グループAレースが国際的には衰退する中で、JTCはGT-R人気で盛り上がり続け1992年には全8戦と2戦増えたシーズンとなった。3月15日の開幕戦「TIサーキット英田グループA300kmレース」はウエットに。ここはJECSスカイライン(長谷見昌弘/福山英朗)のポールトゥーフィニッシュで始まる。

開幕戦で勝利したのはJECSスカイライン(長谷見/福山)。体制を一新してポールtoウインの完勝だった。

第2戦は4月26日の「全日本ツーリングカー選手権inオートポリス」。今回はポールポジションの共石スカイラインGP-1+(A.オロフソン/木下隆之)と予選4位からスタートしたAXIAスカイライン、予選3位からスタートしたカルソニックスカイライン(星野一義/影山正彦)の三つ巴。結果は共石スカイラインが逃げ切り、星野、長谷見の2強に初めて土をつけた。

5月17日に開催された第3戦、「アイリスオーヤマSUGOグループA300kmレース」はカルソニックスカイライン(星野/影山)がポールから逃げ切り。ちなみに参加したGT-Rは全車完走し1位から7位までを独占する圧倒的な強さを見せた。

第2戦のオートポリスでクラス2優勝、総合4位に入ったB-ing KEGANI M3(茂木/小幡)。この年は2勝を挙げてチャンピオンタイトルを獲得した。

第4戦は7月5日の「鈴鹿スーパーツーリングカー500kmレース」。コンディションはウエット。長丁場のレースを予選7番手からスタートしたAXIAスカイライン(清水和夫/T.クリステンセン)が制し、ここまで日替わりの優勝者が続く。

第5戦は初開催のMINEサーキットだが、これは従来の西日本サーキットを改修したもの。ポールはカルソニックスカイライン(星野/影山)が奪うが、決勝では予選2番手からスタートしたJECSスカイライン(長谷見/影山)が終盤から独走状態となり、開幕戦に続く2勝目となった。

第7戦でカルソニックが3勝目。GT-R同士の争いから頭一つ抜け出すものの・・・

第5戦は筑波の夏恒例の「オールジャパンツーリングカー300kmレース」で8月23日に開催された。ここでのポールポジションは、カルソニックスカイライン(星野/影山)で、第3戦から4戦連続だ。2番手には共石スカイラインGP-1プラス(オロフソン/木下)でトップを伺う。決勝ではカルソニックスカイラインが久しぶりの強さを見せる。2位のタイサンSTPGT-R(高橋国光/土屋圭市)を1分引き離し、JECSスカイラインに並ぶ2勝目となった。

この年、クラス3で速さを見せたのが出光MOTION無限シビック(中子/岡田)。インターTECでの優勝を含めて3勝を挙げてチャンピオンになった。

9月20日の第7戦「ハイランドグループA300km選手権レース」はドライ→ウエット→ドライと目まぐるしくコンディションが変わる難しいレース。ここではカルソニックスカイラインを操る歴戦の星野、サポート役の影山がポールからスタート。事実上、共石スカイラインGP-1(オロフソン/木下)との一騎打ちとなるが、カルソニックが逃げ切りシリーズ3勝目となった。

カルソニックスカイライン(星野/影山)が第7戦のハイランドでポールポジションから逃げて3勝目を挙げる。

迎えた8度目の「インターTEC」ここでは晴天に恵まれ、どのGT-Rが勝ってもおかしくないという緊迫感に溢れた。ポールポジションはカルソニックスカイライン(星野/影山)で、6戦連続の圧倒的速さ。続くのは共石スカイラインGP-1プラス(オロフソン/木下)で好調を維持している。決勝では終盤まで上位4位までが10数秒内という接戦。それを制したのは共石スカイラインGP-1プラスで、第2戦に続くシーズン2勝目。2位には予選3番手からスタートしたJECSスカイライン(長谷見/福山)が入賞し、このシーズンのチャンピオンとなった。

[『グループAレース クロニクル JTC 9年間の軌跡 ~1985‐1993』は2024年1月31日発売 - 株式会社モーターマガジン社]

© 株式会社モーターマガジン社