コメ価格高騰の影響 販売店から不安の声も-去年のコメ不作などが原因【新潟】

販売店から不安の声も

約170haの田んぼでコメを栽培する「グリーンファーム清里」の保坂一八社長。コシヒカリの田植えが、終盤を迎えていました。

保坂社長のもとには、1カ月ほど前から県内外の卸売り業者から問い合わせが相次いでいると言います。
■グリーンファーム清里 保坂一八社長
「お米屋さんもコメの引きがすごい。『お米ない?』という電話が来る、今は(去年にとれた)お米はあるけど、去年のうちに買い手が決まってしまっている。」

その理由は、コメの価格高騰です。去年のコメの不作と新型ウイルス禍が落ち着いたことによる外食需要の回復で、需要に供給が追いついていないと見られます。今のところ価格高騰による影響はないですが、保坂社長は高値で取引が続けば農家の利益につながると話します。
■グリーンファーム清里 保坂一八社長
「市場がそんな形で高値で動いてくれてるというのは、本当にありがたいことだしチャンスかなと。今の価格がもしこのままつづくなら、利益にも繋がってくる。」

グリーンファーム清里は、去年、猛暑の影響でコシヒカリはほとんどが2等米に・・今年も少雪の影響で水不足の田んぼもありますが、保坂社長は「平年並みの収穫を期待したい」と話します。

価格高騰の余波は、東京の販売店でも。渋谷区・原宿で約90種類のコメを販売する小池理雄さんは、この状況を「異常事態」だと話します。
■小池理雄さん
「卸業者から出てくる金額がかなり高くなっている。3~4割くらい、ひとめぼれやあきたこまちは8割くらい上がっている。去年から比べて、売り上げも2割くらい増えていて、消費が旺盛になのは間違いない。需要が増えて供給が減っていると。」

小池精米店では、多くのコメを去年時点の価格で年間予約しているため、現状、販売価格の値上げはありませんが…
■小池理雄さん
「飲食店の卸しについては価格を上げる。そうすると利幅が減る、100%上げるわけにはいかないので。」

秋になって新米が出回れば、一定程度、値上がりが落ち着く見通しもありますが、小池さんは例年よりも新米価格が高い状態でスタートする可能性も指摘しています。

© 株式会社新潟テレビ21