石原さとみ「SNSの可能性を感じた」 青木崇高の言葉に涙

石原さとみ

女優の石原さとみが30日、丸の内ピカデリーで行われた主演映画『ミッシング』(公開中)公開御礼舞台あいさつに青木崇高と共に出席。「この作品がきっかけでSNSの可能性を感じました。もちろん負の力も描かれていますが、前に進む力もある。始めたいと思ったぐらい」と心境の変化を語った。イベント中盤には劇中で失踪した娘・美羽を演じた有田麗未がサプライズで登壇し、石原と青木が涙する場面もあった。

本作は、映画『空白』や『ヒメアノ~ル』などを手掛けた吉田恵輔(※吉は「つちよし」)監督がオリジナル脚本で挑んだ人間ドラマ。ある日突然失踪してしまった娘を探すためになりふり構わずどんなことでもする母親・沙織里(石原)の姿と共に、謂れのない誹謗中傷や悪意に満ちた好奇心など、人間の持つ怖さを描く。

5月17日の公開から約2週間が経過したが、石原は「いままでにないぐらいの量の感想が届いています」と反響が大きかったことを明かすと「同業の俳優さん女優さんから、とてつもない長文の感想をいただきとても嬉しいです」と笑顔を見せる。

熱い感想もたくさん寄せられているという本作。コメントが読み上げられシーンについて話が及ぶと石原は目に涙を浮かべる場面も。そんななか石原は「結婚したとき、ドナーカードにマルをつけたんです。その経験は初めてだったのですが、子供ができたとき、わたしがつけたマルが、とても大切なんだと覚悟を感じたんです。この作品を機会に、いろいろな捉え方が変わりました」と石原にとって非常に大きな出会いになったことを強調していた。

イベント中盤には、失踪する娘・美羽を演じた有田がサプライズで登壇。愛娘の顔を見た瞬間、石原が「大きくなったね~」と母の顔になり表情を崩すと、青木も思わず顔を覆い「森下家にしては待ち望んでいた再会です」と涙を流す。さらに有田が二人の似顔絵をプレゼントすると、石原は「もうたまらないですね」と目に涙を浮かべていた。

最後に青木は、平日の興行が盛り上がっているというニュースに「皆さんの口コミのおかげです」と語ると「この映画ではSNSの良くないところが描かれていますが、こうして足を運んでくださっているのはSNSのおかげでもあります。機能としてよく使えば、人の温度もしっかりと伝わるものだと思います」と断言。さらに青木は「人の温度が伝わる映画。僕は温度を感じあって生きていきたい。きっとこの映画が皆さんの背中を押すきっかけになると思います」とも語り、「そんな作品を真ん中で支えてくれた石原さんにも感謝したい」と石原を見つめる。

青木の言葉に涙ぐんだ石原は「全キャストのエネルギーが詰まった作品。この映画のタイトルは亡くなられた河村光庸プロデューサーがつけたのですが、わたしは大好きなんです。本当に映画の内容にぴったりのタイトル。わたしはこの作品がきっかけでSNSの可能性を感じました。もちろん負の力も描かれていますが、前に進む力もある。始めたいと思ったぐらいです」と自身の変化を述べていた。(磯部正和)

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