肺から空気が漏れる「気胸」で10代男性が死亡 新潟市民病院で医療事故 約8300万円支払い和解へ【新潟】

【資料】新潟市民病院

新潟市民病院は、肺の病気だった男性を入院させるべきだったにも関わらず、経過観察としたため死亡につながった医療事故があり、遺族に8300万円余りの賠償金を支払うことで和解したと発表しました。

新潟市民病院によりますと、2022年12月、10代の男性が胸にへこみができる「漏斗胸」と呼ばれる症状の治療のため手術を受けました。その際、手術の合併症として、肺の外に空気が漏れる「気胸」が発生。経過観察していて、一時は改善したものの、2023年2月に再発しました。

2月中旬に診察したところ、肺から空気が漏れつぶれた状態が確認されたものの、息苦しさや血中酸素飽和度の数値は改善していたため経過観察としたと言います。しかしその診察から1週間後、男性は自宅で容体が急変し、気胸による呼吸不全のため亡くなりました。

病院側は2月中旬の診察の際に入院させるべきだったにも関わらず、経過観察としたことが死亡の原因となった医療事故と判断。遺族と協議を進め、和解金8300万円余りを支払うことで和解の合意に至ったということです。今後市議会の議決を得て支払われます。

再発防止に向けて、合併症として気胸が発生した場合は判断が容易ではないため、担当する科が連携して対応にあたるとしています。また、呼吸器外科の常勤医がいないため、配置に向けて取り組むということです。

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