株式投資における心理的安全性とは何か
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2024年から新NISAがスタートしましたが、「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」という相場の格言の通り、最近の日本株式の株価はレンジ内でもみ合っており、軟調といってもよいのではないでしょうか。
では、株価が暴落しているとき、私たち個人投資家はどう対処したらよいのでしょうか。
「たじろがずに冷静でいろ」というのは必要なことですが、暴落に対峙する前にできることがあります。
今回はそうした「心理的安全性」をいかに確保できるかについて考えてみましょう。
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行動その1:ポートフォリオ(資産)における現金残高(キャッシュポジション)をしっかり確保する
そもそも株式はリスク性資産です。株価は上下して当然です。
リスクとリターンはちょうどコインの表と裏のように一体です。リスクをとっているからリターンがあるのであって、リスクをとらなければ預貯金のようなリターンとなるはずです。
自分の資産をすべて株式に投資をしているという方は稀でしょうが、現預金をしっかり持っておくことで、大暴落時でも心理的に余裕が保てるでしょう。
心理的安全性を確保するために、次のように考えてみてはどうでしょうか。
資産が100あるとして、そのうち株式の保有割合が30であったとしましょう。それ以外は現預金で保有していたとしましょう。
その30が株価の大暴落で半分になっても15の損失で済みます。その程度の損失であれば、世界株式の過去の年率の平均リターンが7%程度であったことを考えると、景気が戻れば3から4年くらいで失った分は取り戻せることになります。
一方、株式に80を投資していて、20が現預金だとしましょう。
同じように、株価が半分になり、80のうち40が損失となったとします。40を回復させるのには、残りの60を運用しても8年から9年程度必要となります。こうなるとしびれを切らしてしまう投資家も出てくるでしょう。
また、重要なのは株価が大暴落した後に、買い出動できる現預金があるかどうかです。ポートフォリオにおいて現預金のポジションは必要です。
行動その2:財務体質(バランスシート)がしっかりした銘柄を選ぶ
株価が大暴落する際に真っ先に売られるのは、財務体質(バランスシート)が良くない銘柄です。
その理由は、景気が悪化すると、多くの企業は売上が伸び悩んだり、また減少したりします。その際に当期純利益が赤字なる企業も出てきます。当期純損失は株主資本を直撃し、財務体質を悪化させます。結果、外部資金調達が難しく、倒産する可能性が高まるのです。
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アクシデントに見舞われないためにも保有銘柄のバランスシートはしっかりチェックしておきましょう。
行動その3:短期のトレーディング目的の銘柄を選ばない
「デイトレーディング」や「スウィングトレード」なるキーワードが投資家心をくすぐります。
しかし、そうしたトレーディンが機能するのは、株式市場が「平時」の時、また上昇相場の時に機能するといってもよいでしょう。
ひとたびパニック的な売りに陥ると、そうしたトレーディングを活かせる場面も大きく減ります。古くはITバブル崩壊やリーマンショックを経験したことがある人ならすぐにおわりでしょうが、売り一色です。
有事に備えて「大暴落したら買い増しするリスト」を自分で作っておく
株式市場が「平時」の場合にはトレーディングも結構ですが、いつ来るかわからないのが大暴落です。したがって、日頃から短期志向に陥らないことが「吉」といえます。トレーディングといえばカッコいい耳障りですが、本格志向の投資家から言わせると「日ばかり」です。
株式市場が大暴落するときに不安になるのではなく、心理的安全性を確保するのにはどうしたらよいでしょうか。
「株価が下落したら買い増しをする株」や「株価が下落したら買い出動する株」のリストを自分で作っておくというのも一つの手段です。
こうしてみることで、株式市場の大暴落を前に心理的安全性を確保できるだけではなく、大暴落を愉しむことさえできるのです。