茨城県アンテナ店、売上高最多 干し芋、体験企画人気 23年度3億2000万円

イバラキセンスの売り上げ実績と来店客数の推移

茨城県は30日、東京・銀座の県アンテナ店「IBARAKIsense(イバラキセンス)」の2023年度売り上げ実績が3億2000万円となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。高い人気を誇る干し芋販売の好調が続いたほか、特産品の新たな食べ方の提供や体験型企画の開催などが奏功し、客足を増やした。

県プロモーションチームによると、売り上げは3億円だった前年から6.7%増えた。来店客数も前年比1.6%増の約63万人に上り、過去最多を更新した。売り上げの内訳は、物販部門が前年と同水準の2億4000万円、ダイニングやカフェなどの飲食部門が同2000万円増の8000万円だった。

物販部門では、干し芋や納豆、日本酒などの販売が好調で、売り上げの多くを占めた。特に、生産量が日本一を誇る干し芋の魅力を広く周知するため、同年度から1月10日を「ほしいもの日」に制定。通常より品目を増やしたフェアを開くなど、県産品の魅力浸透に力を入れた。

市町村と連携した体験型イベントでは、昨年9月、栽培面積が日本一のクリをPRする「笠間の栗フェア」としてクリ拾い体験会を開催したほか、多彩な納豆商品を当てる「納豆ガチャ」や干し芋加工を体験する「ほしいも祭」などを展開。海外へのPRも含めメディア露出を高め、広告換算額で約10億円の効果を出した。

贈答品向けなど、ブランド力を高めた商品販売も強化。メロンの品評会「キング・オブ・イバラキング」で受賞した商品を提供したほか、日本酒コンテストの入賞品などをそろえ、茨城県特産品の質の高さをPRし、消費拡大につなげた。

同店の売り上げは新型コロナウイルスの影響で20年度に1億8000万円と一時、前年を割り込んだものの、21年度以降は最高額を更新している。今後は飲食部門を強化し、24年度は6月から同店内の飲食店「BARAdining(バラダイニング)」で、県の銘柄牛「常陸牛」や銘柄豚「常陸の輝き」を使った新たなコース料理を提供する予定。

同チームは「新商品の販売や新しい食べ方を積極的に提案し、茨城の良さを疑似体験できる場として運営していく。消費者の意見を聞き取りながら、商品を磨き上げる役割も果たしたい」とし、首都圏のPR拠点としての存在感向上に意欲を示した。

ケーキ「モンブラン」を作る様子を撮影する海外記者ら=2023年10月、東京都中央区

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