【株価比較】半導体銘柄「東京エレクトロン」と「アドバンテスト」2023年初来からの株価推移&業績は?

2024年3月を天井にやや下落気味…上昇トレンドは維持

AI銘柄の代表として世界中の投資家が注目するNVIDIA(エヌビディア)。しかしNVIDIAは半導体銘柄の側面もあります。

AIブームを追い風に株価が急騰するNVIDIAに対し、国内半導体銘柄はどのような状況なのでしょうか?

国内を代表する半導体銘柄の、東京エレクトロン<8035>とアドバンテスト<6857>を簡単に比較してみました。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

日本を代表する半導体銘柄、東京エレクトロンとアドバンテスト

1980年代に世界を席巻した日本の半導体業界ですが、その後の市場環境の劇変とともに、現在は純粋な国内半導体メーカーはほとんどありません。

しかし、日本製の半導体製造装置などは世界の半導体市場を支えています。

近年の日本を代表する半導体関連銘柄としては、半導体製造装置メーカーの「東京エレクトロン」と半導体検査機器メーカーの「アドバンテスト」の2社があげられてきました。

世界を代表するAI銘柄のNVIDIAは元々画像半導体の会社です。

NVIDIAのように、「AI銘柄=半導体銘柄」という状態となる中で、国内AI銘柄とも目されることが多い「東京エレクトロン<8035>」と「アドバンテスト<6857>」の業績や株価を見ていきましょう。

「東京エレクトロン」と「アドバンテスト」の業績&2025年の予想は?

東京エレクトロン、アドバンテストともに3月決算。4~5月に2024年3月期決算及び来期予想数字を発表しています。

なお、東京エレクトロンは国内基準、アドバンテストはIFRS基準での決算です。

東京エレクトロン

【写真6枚】1枚目「東京エレクトロンの決算短信」、2枚目以降で「アドバンテストの決算単身」や両社の2023年からの株価チャートを見る!
東京エレクトロンの決算短信

2023年3月期

  • 売上高:2兆2090億円(前期比 10.2%増)
  • 経常利益:6251億円(前期比 3.9%増)
  • 当期純利益:4715億円(前期比 7.9%増)

2024年3月期

  • 売上高:1兆8305億円(前期比 ▲17.1%減)
  • 経常利益:4631億円(前期比 ▲25.9%減)
  • 当期純利益:3639億円(前期比 ▲22.8%減)

2025年3月期(予想)

  • 売上高:2兆2000億円(前期比 20.2%増)
  • 経常利益:5840億円(前期比 26.1%増)
  • 当期純利益:4450億円(前期比 22.3%増)

アドバンテスト

アドバンテストの決算短信
アドバンテストの決算短信

2023年3月期

  • 売上高:5601億円(前期比 34.4%増)
  • 税引前利益:1712億円(前期比 47.2%増)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:1304億円(前期比 49.4%増)

2024年3月期

  • 売上:4865億円(前期比 ▲13.2%減)
  • 税引前利益:781億円(前期比 ▲54.4%減)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:622億円(前期比 ▲52.2%減)

2025年3月期(予想)

  • 売上高:5250億円(前期比 7.9%増)
  • 税引前利益:890億円(前期比 13.9%増)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:670億円(前期比 7.6%増)

両社ともに、2024年3月期決算は減収減益となりました。利益の落ち込み幅は東京エレクトロンに比べアドバンテストが大きく、2025年3月期の業績回復もアドバンテストは東京エレクトロンに比べ遅れる予想です。

AIブームの一方で、両社の業績は2023年3月期が一旦ピークとなりました。2024年3月期に落ち込んだ業績を、2025年3月期にどこまで回復できるか注目される状態です。

「東京エレクトロン」と「アドバンテスト」2023年からの株価動向を振り返る

次に両社の2023年以降の株価を振り返ってみましょう。

両社ともに2023年1月から株価は右肩上がりの状態です。

東京エレクトロン

2023年1月4日 1万2803円→2023年5月24日 3万5790円(2.79倍)

東京エレクトロンの株価チャート(2023年1月~)

アドバンテスト

2023年1月4日 2067.5円→2023年5月24日 5591円(2.70倍)

アドバンテストの株価チャート(2023年1月~)

上昇率としては東京エレクトロン2.79倍、アドバンテストが2.70倍です。

若干、東京エレクトロンの上昇率が上回っているものの、ほぼ同等の上昇率です。AIブームに乗る形で、日本を代表する半導体銘柄の両社は株価上昇を果たしました。

ただし、両社とも株価は3月を天井に若干下落しています。

上昇トレンドが崩れた訳ではありませんが、足下は次の上昇待ちの状態です。

半導体銘柄「東京エレクトロン」と「アドバンテスト」のまとめ

東京エレクトロンとアドバンテストの、2023年からの株価上昇率は同等でした。

また業績も2024年3月期は両社とも前期比で減収減益となっています。ただし2025年3月期の業績回復は、東京エレクトロンがアドバンテストを上回る予想です。

日本を代表する半導体銘柄の東京エレクトロンとアドバンテストは、2023年以降は類似の株価上昇を果たしました。しかし2024年は、業績の回復力の違いとともに、株価も差が生じることになるのでしょうか。

5月23日に発表されたNVIDIAの2~4月の第1四半期決算は、前年同期比で大幅な増収増益を果たし株価も大きく上昇しました。AIブームは未だ健在です。国内半導体銘柄を代表する両社の今後の株価の行方が注目されます。

参考資料

  • 東京エレクトロン株式会社「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  • 株式会社アドバンテスト「2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」

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