迷惑行為を注意した日本人女性に外国人ガイド“逆ギレ”…京都・八坂神社トラブルの一部始終

京都・八坂神社(C)日刊ゲンダイ

<おまえ、失礼(rude)だぞ、オレたちを放っておけ>(外国人男性)

<いや、rudeはおまえや>(日本人女性)

<あほ、何だおまえ! 何だおまえ! 何だおまえ! 黙っとけよ。うるせえ、おまえ! マジでうるさいな、おまえ! 何が起こっているか、さっぱり分からない>(外国人男性)

京都の観光名所「八坂神社」で、外国人観光客が国宝の神社本殿の「鈴の緒」を棚に叩きつけながら参拝。大事に扱うよう現場にいた日本人女性が注意したところ、観光客を率いていたガイドとみられる外国人男性が逆ギレ。一歩も引かない日本人女性に対し、こうまくし立てた。

女性が5月23日、外国人観光客とのやりとりを撮影した動画を「X」に投稿すると、「逆ギレ動画」は瞬く間に拡散された。女性は<もう手に負えません みなさん助けてください>と訴えていた。

日本に8年在住しているという外国人ガイドの妻は日本人で、日本語も理解している。外国人向けのツアー会社に勤務しているようで、会社関係者は投稿した女性に対し、「明らかに違法行為」と反論を書き込み、法的手段に出るとしている。ネット上では、外国人ガイドの氏名や勤務先を特定する動きが広がり、通報を受けた京都府警もトラブルを把握している。

こうした事態を受け、八坂神社は午後5時ごろから翌朝6時ごろまでの時間帯は鈴を鳴らして参拝ができないよう、鈴の緒を上げた。過去にも観光客が鈴の緒を乱暴に扱い、鈴が落下したケースがあったという。

■京都市は啓発チラシを配布

京都ではインバウンドの急増で、外国人を巡るトラブルが後を絶たず、自治体も対策に乗り出している。

「外国人観光客の増加にともない、マナー問題に関する地元の不安の声は強くなっています。舞妓さんへの付きまといや接触、無断撮影、ゴミのポイ捨て、道路をふさいで車道に広がるなど、代表的なマナー違反行為をイラストで伝える啓発チラシを配布しています。迷惑行為が行き過ぎると迷惑防止条例違反、廃棄物処理法違反、道交法違反など犯罪や罰金の対象になります。京都府警と連携し、悪質なものについては強めのトーンで示しています。京都に来る前の旅前、来られてからの旅中、それぞれ啓発しています」(京都市産業観光局観光MICE推進室担当者)

日本人観光客にも言えることだが、国内外問わず、旅行の際には地域住民への思いやりを最優先に心がけたい。

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