多摩と麻生両消防団 定員充足率 依然達せず 高齢化が課題 PR模索  川崎市多摩区・川崎市麻生区

多摩消防団(井口保団長)と麻生消防団(碓井純団長)の充足率(4月1日時点)が昨年同日比で横ばいだったことが分かった。両団とも団員の高齢化を課題として効果的な募集PRを模索、充足率100%を目指す。

多摩消防団は定員175人に対し、160人で充足率91・4%だった。昨年同日に比べ1人増えた。麻生消防団は定員168人に対し、144人で充足率85・7%、昨年同日と増減はなかった。

5年前より低下傾向

5年前の2019年の充足率と比べると多摩は5・2ポイント、麻生は8・9ポイント低下していることが分かった。低下傾向はあるものの、両団は、川崎市全体の消防団充足率よりも高い状態を維持してきている。

両団定員15人としている女性消防団員は、多摩は昨年同日比で1人増加し、15人に。麻生は1人減り、11人となった。広報活動など、多くの役割を積極的に担っている。

両団が課題に挙げているのは団員の高齢化だ。多摩では明治大学や専修大学の文化祭で団員の募集活動を行うほか、昨年は若い世代に活動を知ってもらおうと、公式インスタグラムを立ち上げた。麻生は今年2人の女性学生団員が入団した。女性の団員からの紹介だったという。麻生署の担当者は「全体的に、紹介によって入団してくる人が多い傾向がある」と話し「学生に限らず、20代から30代の若い世代も入りやすいように課題を整理し、工夫を凝らしていきたい」と述べた。

30年以上麻生消防団で活動し、昨年4月に団長に着任した碓井団長は「地域とのつながりも増え、楽しい。まちを守るという使命感もあり、とてもやりがいがある」と魅力を語る。

両団は、若い世代の団員を増やす方法を模索しながら、充足率100%を目指していく。

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