【5月31日付編集日記】ミデネデマザレ

 「踊るあほうに見るあほう」―。祭りやイベントを取材する際、阿波踊りの有名な一節が頭に浮かぶことがある。盆踊りによさこいなど、踊り手たちの多幸感あふれる様子を見ていると、カメラを置いて、輪に加わってしまおうかという気分になる

 ▼郡山市の「郡山うねめ祭り」は60周年を迎える。市町村合併を機に市民一体になろうと1965年に初開催された祭りの総踊りパレード。本紙は「踊る市民に見る市民」の見出しで当時の様子を伝えている

 ▼大通りに約5万人の人垣ができ、パレード一色となった。「踊っているのが楽しくて。このまま踊っていれば何もかも忘れる」。当時77歳の参加者の話からは、その熱狂ぶりが伝わってくる

 ▼祭りと市制施行100周年の節目にうねめ踊り流しのエンディングテーマ「采女ドンドコ」が誕生した。箭内道彦さんのプロデュース。公開されたミュージックビデオでは西田敏行さん、箭内夢菜さんら郡山ゆかりの人たちが軽快に歌い踊っている

 ▼本番では「うねめ踊り流し」の後、この曲がフィナーレを飾る。マザレ、マザレ、ミデネデマザレ―。うねめ踊りのはやしを受け継ぐ歌詞もそう呼びかけてくる。同じあほうなら踊らにゃ損々だ。

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