ロシア、中ロ貿易や原油輸送抑える米の動きに反発

Dmitry Antonov

[モスクワ 30日 ロイター] - ロシア外務省のザハロワ報道官は30日、原油輸送にさらなる制限を課す米国の動きは容認できないとしたほか、米国が中ロ間貿易の阻止を目指すことでロシアに「貿易戦争」を仕掛けていると反発した。

ホワイトハウスのダリープ・シン国家安全保障担当副補佐官(国際経済担当)は28日、主要7カ国(G7)が設定した原油価格上限の回避に「影の船団」を使っているロシアのコストを引き上げるため、各国がさらに行動することができると述べた。

安全保障を脅かす中国とロシアの貿易を阻止するため、米国はパートナー国と共に制裁と輸出規制を発動する用意があるとも表明した。

ザハロワ氏はこの発言について、米国による中ロ間の貿易を途絶させる試みや制裁乱発は目的を達成できないだけでなく世界の金融システムを弱体化させていると主張。

ロシアと中国を含むパートナー国との貿易・経済関係は国際法に準拠しており、「米国の脅し」で関係を断つことはないと強調した。

また、ロシア原油の海上輸出を困難にしようとする西側の取り組みは世界のエネルギー安全保障を阻害し、市場の分断を加速させ、インフレ圧力を高めていると指摘した。

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