パーティー券「5万円超」に下げ 首相、公明・山口代表に伝達

合意文書を交わす日本維新の会の馬場代表(左)と岸田首相=31日午前、国会

 岸田文雄首相は31日午前、公明党の山口那津男代表と派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正について官邸で会談し、パーティー券購入者名の公開基準額を「5万円超」に引き下げる考えを伝えた。強く求めてきた山口氏は党内に持ち帰った。首相はこの後、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、合意文書を取り交わした。使途報告義務のない政策活動費について、10年後に領収書や明細書を公開する方針を確認。年間の使用上限も設定する。

 党首会談後、山口氏は記者団に「首相として大きな決断をされた」と評価。今国会中の法改正実現へ「道が開かれた」と述べた。馬場氏は記者会見で「わが党の考えが100%通った」とし、自民の規正法再修正案に賛成する考えを表明した。

 党首会談を受けて衆院政治改革特別委員会は理事懇談会を再開し、自民は再修正案を提示した。自民は規正法改正案を6月3日に特別委で採決する日程を提案。立憲民主党などは反発したが、石田真敏委員長は職権で3日の特別委開催を決めた。自民は6月4日の衆院通過を目指している。

会談前に、公明党の山口代表(左)と握手する岸田首相=31日午前、首相官邸
衆院政治改革特別委の理事懇談会に臨む与野党の理事ら=31日午前、国会

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