福島県沖ヒラメ漁獲最多 2023年846トン、原発事故前超える

 2023(令和5)年に福島県沖で水揚げされたヒラメの漁獲量は846トンで、統計の残る1969(昭和44)年以降で過去最高となった。30日、福島県いわき市で開かれた県漁協組合長会で県が示した。

 2009(平成21)年の841トンがこれまでの最高だった。2023年の取引価格は8億2700万円で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生する以前の年平均約7億円の水準を超えた。

 福島県水産海洋研究センターによると、稚魚の発生状況が良好な上、資源管理を目的とした漁業者による漁獲サイズの自主規制や稚魚の放流などを背景に増加しているとみられる。県の担当者は「今後も資源管理を継続していく」とし、ヒラメを含めた県産水産物の販路拡大と魅力発信にも努めていく考えを示した。

 福島県のヒラメは1996年から栽培漁業が本格化した。震災後と原発事故の発生によって放流が一時中断したが、現在はいわき、相双の各地で合わせて100万匹の稚魚を毎年放流している。

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