テニスの大坂、第1シード相手にマッチポイント握るも敗れる 全仏2回戦

テニスの全仏オープンで、3年ぶりの白星を挙げた大坂なおみ(26)が29日、3連覇を狙うイガ・シフィオンテク(22、ポーランド)と2回戦で対戦した。フルセットの戦いとなり、大坂はいったんマッチポイントを握ったが、最後はシフィオンテクに競り負けた。

シフィオンテクは7-6 (7-1)、1-6、7-5で大坂を下した。もし負けていれば、全仏で最も早い段階での敗退となるところだった。

元世界ランキング1位の大坂は、娘のシャイちゃんを出産して4カ月前に復帰したばかり。

これまでクレーコートに苦労していた大坂だったが、26日の1回戦での勝利に続き、この日のセンターコートでの試合でも、第1シードをあと1ポイントまで追いつめた。しかしそのチャンスを生かし切れなかった。

反対にシフィオンテクは、大事な場面できっちりショットを決めた。勝利を手にすると、ほっとした表情を見せた。

「予想していたより厳しかった」

シフィオンテクは試合後、「厳しかった。2回戦としては予想していたより厳しかった」と振り返った。

そして、「私たちは素晴らしいテニスをした」と述べた。

シフィオンテクは、女子テニス界においてセリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)以来の、圧倒的な強さを誇る選手になっている。特にクレーコートでの戦績が顕著だ。

今シーズンはクレーコートで1敗しかしていない。全仏の前にあったスペイン・マドリードとイタリア・ローマの大会(ともにクレー)は立て続けに優勝した。

この日、大坂に敗れるのを免れたことで、シフィオンテクはパリのローラン・ギャロス(全仏会場)で32試合してまだ2敗しかしていない。

大坂は「不得意コート」で手応え

対照的に大坂は、クレーコートが得意ではない。先月も、クレーでは自分はまだ「キリンの赤ちゃん」だと話していた。

大坂は米ニューヨークとフロリダのハードコートで育った。これまでの4大大会の優勝4回も、すべてハードコートだった。

それでも、クレーコートへの適応という挑戦を心から受け入れている。

この日の試合は、現在世界134位の大坂が、どれだけ強打でトップ選手と渡り合えるのかを示すものとなった。

大坂は試合後、「イガが去年、この大会で優勝するのを見ていたとき、私は妊娠中だった。彼女と対戦するのは夢でしかなかった」とし、次のように続けた。

「そう考えると、自分でもよくやっていると思う。そして、自分に厳しくなり過ぎないようにしている」

「彼女の得意なサーフェスで、うまく対戦したと思う。私はハードコートの子なので、今度は自分の得意なサーフェスで彼女とプレーして、どうなるか見てみたい」

この日の大坂は、圧倒的なパワーと度胸あるリターンでシフィオンテクを翻弄(ほんろう)。どちらのサイドからも簡単にウィナーを決めた。

最終セットでは、次のポイント取れば5-1と大きくリードするという好機を迎えた。結局、バックハンドのショットをネットにかけてこれを逃したものの、その後も優位は譲らず、記念すべき勝利へと近づいた。

しかし、5-3でサービスゲームをキープすれば勝利という場面で、動きが固くなった。短いボールのミスを3球続け、さらにバックハンドをアウトしてブレークを許した。

その後も落ち着きのなさは続き、次の自分のサービスゲームではブレークポイントで痛恨のダブルフォルト。シフィオンテクに、続くサービスゲームをキープすれば勝ちという状況をお膳立てしまった。

(英語記事 Swiatek saves match point to beat Osaka in thriller

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社