「冷蔵庫を整理する」とお金がたまる?…生前整理・遺品整理のプロが話す、合理的なワケ

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「片付けなければ」と考えながらも、なかなか手が進まない人は多いのではないでしょうか。部屋を片付けないままもしものことがあったら、家族は大変困ることになります。生前整理・遺品整理アドバイザーで、一般社団法人日本遺品整理協会理事でもある上東丙唆祥氏の著書『人生最後の片づけ・整理を始める本』(メディア・パル)より、一部を抜粋して紹介する本連載。上東氏が、自分のため、家族のために行うべき、人生の後半に後悔しない片づけ・整理の方法を解説します。

冷蔵庫の内容量は「7割以下」にする

孤独死した人の遺品整理で冷蔵庫を開けたとき、ゴチャゴチャしていて、使いかけ、期限切れの調味料や食材がギュウギュウづめになっていることがよくあります。買ってきたものを次から次へと押し込んでいき、奥の食べものを腐らせている人は危険だと思います。

冷蔵庫の内容量の目安は7割以下だといわれています。冷蔵庫の中がぎっしりつまっていると、冷蔵効率が落ちて電気代も余計にかかります。

まず棚、野菜室、ドアポケット、冷凍室に入っているものをすべて取り出しましょう。奥にあった食材や冷凍食品はすぐ処分します。これも10分あれば終わります。

食材や調味料はカテゴリーごとに整理しなければなりません。野菜室に牛乳があったらおかしいですよね。同じものをそろえるだけでもムダな空間をなくせます。もちろん拭き掃除も忘れずに。量に応じて棚の高さの調整も必要かもしれません。

冷凍庫はすき間なく食材を入れたほうが冷凍効率はよくなります。冷凍庫内のものを全部出し、不用品を捨てたうえでかごや仕切り板を使いながら、チャック付き保存袋、ラップ、プラスチックの保存容器をパズルのように整理して入れましょう。保存袋は重ねず、立てておくと取り出しやすくなります。日付やラベリングも忘れずに。

命に直結する食材の倉庫を整えることで、自分の体の管理ができます。そして、食材をムダにすることがなくなり、お金がたまるようになるのです。

気づかず害虫の卵や糞を食べている可能性…

キッチンの引き出しの中に入れるものは、絶対に清潔に保つ必要があります。箸置き、箸、スプーン、フォーク、ナイフなど、直接口に運ぶものが多いですよね。せん抜きや缶切りも触れた部分を口にしたり、汁などが口に入ったりします。

しかし、食材(生ゴミ)が近いため、引き出しはゴキブリや害虫がもっともすみつきやすい場所です。カトラリーやつまようじ、キッチンバサミ、場合によっては包丁も入るので、引き出しの中はきれいにして、容量の3割程度まで減らしましょう。

そうすれば、万が一ゴキブリが産卵したり糞を落としたりしてもすぐにわかります。ゴチャゴチャにつまっていたらゴキブリの痕跡もわからず、口に入れてしまいます。

引き出しの片づけと整理を同時に行なう手順を紹介します。

①ゴミ袋を引き出しの下にセットする。

②引き出しを開け、手前のものを上に出す。

③引き出しの奥のものをゴミ袋に入れる。

④空になった引き出しを拭く。

⑤上に出したものを種類に分けて入れる。

ダイニングテーブルに引き出しがついていて、中にカトラリーなどが入っているときも同様です。清潔さを保つために、余計なものは処分しましょう。

大量のカトラリーを持っているため、引き出しに入りきらないなら、最低限の数を残して処分しましょう。

上東 丙唆祥

生前整理・遺品整理アドバイザー

一般社団法人日本遺品整理協会理事

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