医学部受験 【第1回】年々高まる医学部人気。地方の国公立医学部も東大の偏差値に並ぶかそれ以上!?

はじめに

2012年11月21日に法人登記をして定員制・少人数の医学部専門予備校・エースメディカルみなとみらい株式会社は横浜市中区に誕生しました。以来、11年にわたり、医師になりたいという思いを持つ生徒さんとご家族のお手伝いをさせていただき、10年連続で、国公立医学部の合格と特待生合格を送り出してきました(合格の延べ人数は600名を超えています。2023年4月現在)。

昨今、医学部の人気は高まる一方でその難易度も上がり「地方の国公立医学部でさえ東大の偏差値に並んだ、いやそれ以上だ」との声も聞かれます。

その半面、医学部入試の内部実情は伝わりにくく「医学部入試」という言葉自体が独り歩きをして、いっそう手の届きにくいところに向かっている気さえします。

当校には「医学部に進みたいがどのような勉強をしたらよいのか」や「医学部受験の仕組みがよくわからない」といったことから「受験や学費はいくらかかるのか」「裏口入学はあるのか」といった、実にさまざまな質問が寄せられています。

一般的には、例えば「今はMARCHの実力だから、もう少し頑張って早慶を目指したい」といった、偏差値順で大学受験を決めていく方式で受験界は進んでいますから「一体、医学部はどこに属するのだろう?」と思われるのは当然かもしれません。

大手新聞記者を退職し25年以上前に塾の講師を始めたときには私も「医学部入試は雲の上の世界」と思っていました。しかし、今では医学部合格に必要な英語や小論文の指導、願書添削、面接練習、入試分析、入試スケジュール組みといったことをすべて一人でできるようになりました。

この業界で、最前線で生徒一人ひとりに全面的に向かい合って、あらゆることを実績と責任を持って提供できる数少ない役割を担っている人物のひとりであるという自負があります。

第一線で指導してきた経験から言えることは医学部受験は、特に私立大学においては「特殊」であり「ノウハウがある」ということ、そして「一人ひとりに適切な指導をする」ことが大切であると確信しています。

この本では、この特殊さを丁寧に解説し、実例を挙げながら合格への最短ルートを公開していきます。さらに、一般入試の仕組みはもとより、推薦入試、総合型入試(AO入試)、地域枠、再受験などに焦点を当てて、こうした特殊性をうまく利用して1日も早く医学部に合格するため、受験生とそのご家族にノウハウをお伝えしようと思います。

その際に一番大切なものは何かと考えました。それは現実の姿ではないでしょうか? 実際にどれだけの成績の生徒が、どのような勉強をして、どこに受かったのかということです。こうしたことを赤裸々にリアルに記している書物は店頭に並んでいません。

また、後述しますが「合格体験記」は参考にする点があると思いますが、過信は危険です。当塾でも「合格体験記」を発行していますが、その際に気をつけることは偏らないことです。

いずれにしても、「参考書Aをやった」と書いてあるので、これをうのみにしてやっても合格者と同様の結果が出る保証はありません。ですから、この本では合格者の勉強方法を模試の成績とともに徹底的に公開してリアルを伝えています。面接試験でのやり取りも当校の生徒が経験したリアルなテストです。

ですから、この本を手に取った受験生の方や保護者の方や学校関係者、塾講師、アドバイザーに向けて有用な情報をお伝えしています。特に後述の「ドキュメント『医学部合格までの1年』」では実際の受験生の勉強の仕方と受験指導上のノウハウやポイントについて、これまでの医学部受験のどんな書物よりも詳しくドキュメント的に公開しています。

どうぞ医学部受験に役立ててください。こうした先輩たちの戦いから多くのものを吸収して入試に向かい、一人でも多くの方が合格することを願います。

序 章

2018年7月文部科学省の局長が子息を東京医科大学に裏口入学させ逮捕された事件をきっかけに、厚生労働省は医学部の不正入試に関して各大学へ内部調査を要請しました。

その報告を受け、文部科学省は調査結果の最終報告書で、不正を認めた9校(東京医科大、昭和大、岩手医科大、日本大、神戸大、順天堂大、金沢医科大、福岡大、北里大)を「不適切」と認定し、聖マリアンナ医科大学には「不適切な可能性が高い」としました。


※本記事は、2024年1月刊行の書籍『医学部受験』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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