災害発生時、動けなくなった車両を撤去 秦野市と組合が連携協定

移動ルートの確保など災害時に備えた協定を結んだ高橋市長(左から2人目)と村越監事(同3人目)ら=23日、秦野市役所

 災害時に速やかな被災車両の移動などを図るため、秦野市と自動車輸送・解体などを手がけるエートス協同組合(さいたま市大宮区)が23日、連携協定を締結した。

 協定は、秦野市内で同組合に加盟するセクメット社(同市戸川)が担う。被災車両の撤去や移動の支援のほか、2027年に開通予定の新東名高速道路での訓練などで解体できる車両を提供し、より実践的な訓練を手助けするという。

 災害発生時に被災して動かなくなった車両は、緊急車両や救援物資輸送車の往来、復旧そのものへの妨げとなり得る。同組合は車両の引き取りや故障車の買い取り、損害車の再生や部品の現金化などを通じて、産業廃棄物の低減や二酸化炭素削減への貢献を目指して22年10月に発足。同年の台風15号では、静岡県内などで約3700台を引き取ったという。

 撤去は車両所有者の保険を適用することで自治体の負担はなく、保険未加入車でも廃車や修理などを通じて所有者の負担軽減を図る。

 高橋昌和市長は「早期の移動ルート確保は復旧への鍵となる。迅速な体制が確立し心強い」と謝意を述べた。同組合の村越新吾監事は「大規模災害、特に想定外の水害に目を向けている。経験とノウハウを発揮し地域の復旧に携われたら」と話していた。

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