「日本人はもうラツィオの選手ではない」鎌田大地がまさかの退団へ、地元メディアが報道。一夜で状況が一変し契約更新が難航。OBも「残らないと思う」

一夜にして事態が大きく変わった。鎌田大地がラツィオ退団に向かっているという。

イゴール・トゥドール監督の就任後、チームに欠かせない存在となったことで、契約延長オプションを行使するか注目されている鎌田。一部の現地メディアは5月29日、今週のクラブと代理人の交渉で大筋合意に達し、ラツィオに残る見通しになったと伝えた。

だが、オプションを行使するのか新契約を結ぶのか、期間は1年なのか複数年なのかなど、詳細が不透明だったなか、30日になって状況が一変。契約解除条項が新たな問題になったという。

『Radiosei』によると、アルベルト・アッバーテ記者は「カマダはずっと1年だけの延長を望んでいた。だがそれは、(税優遇がない)新契約を結ぶことを意味する」と話した。

「火曜に3年延長で合意があった。だがそのとき、選手は契約解除条項を加えることを求めた。ロティート会長は高額設定を望んだが、カマダは抗った。彼はおそらく500万~1000万ユーロ(約7億8000万~15億5000万円)のバイアウトを望んでいる」

アッバーテ記者は、「フリーで失うのを避け、もっと安価でも延長するほうが良いと思う」とも述べた。その安価な解除金設定が選手の希望と報じたのが、ラツィオ専門サイト『La Lazio Siamo Noi』だ。

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同メディアは、ラツィオに約2000万ユーロ(約31億円)の契約解除金設定の用意があるのに対し、選手の希望は600~700万ユーロ(約9億3000万~10億9000万円)と報道。さらに、鎌田サイドは今夏からバイアウトの行使可能とすることを望んでいると伝えた。

延長オプション行使期限を30日として報じているLa Lazio Siamo Noiは、深夜0時を過ぎて「もう日本人はラツィオの選手ではない」と報道。「カマダは1年経たずして別れのあいさつとなる」と、鎌田は退団するとしている。

契約延長オプションの期限が過ぎても、ラツィオと鎌田が新契約を結ぶ可能性はある。しかしその場合、税優遇がなくなり、クラブの金銭的負担が増すことは伝えられているとおりだ。

OBのブルーノ・ジョルダーノは、Radioseiで「カマダは残らないと思う」と話した。

「私が知る限り、彼は1年契約を求めている。それでは来年、ラツィオは再び同じ状況にとらわれることになる。延長するなら良いが、別の契約を結ぶなら、私だったら避けるだろうね」

シーズン終盤に相性の良い指揮官と出会えたが、鎌田は1年でイタリアを去ることになるのか。それとも再度状況がひっくり返り、ラツィオに残るのか。正式発表が待たれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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