マカオ、2024年2〜4月期の総体失業率が1.9%まで良化…コロナ前水準に復帰

マカオ政府労工事務局が開催した青年就業博覧会の様子(写真:DSAL)

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は5月31日、今年(2024年)2〜4月期の雇用統計を公表。総体失業率は1.9%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.5%で、いずれも前回調査(2024年1〜3月期)から0.2ポイント下落(良化)。両指標ともコロナ前2019年12月〜2020年2月期水準まで回復した。不完全雇用率は0.1ポイント下落のの1.4%に。上述の3指標を2019年同時期と比較すると、それぞれ0.2、0.2、0.9ポイント上昇。

 今年2〜4月期のマカオ居住の労働人口は37.97万人、労働参加率は67.6%。就業人口は前回調査から1200人増の37.23万人で、マカオ居民に限ると400人増の28.44万人。主にノンゲーミング(非カジノ)産業における増によるもの。業界別では、金融業、建設業で増、不動産・ビジネスサービス業で減。

 失業人口は7400人で、前回調査から600人減。4四半期連続で減少し、中でも16〜34歳の失業人数が減少を維持しており、高等教育学歴保持者の失業人数については6期連続で減少が続く。新たな職を探す失業者のうち、直前まで建設業、小売業、カジノ・カジノ仲介業に従事していた人の数が多くを占めた。このほか、初めての職探しをする人が占める割合は0.7ポイント下落の6.0%に。

 不完全就業者数は前回調査から200人減の5400人。業界別では、建設業と運輸・倉庫業が多くを占めた。

 前年同時期との比較では、労働参加率、失業率、不完全雇用率がそれぞれ0.2、0.9、0.7ポイント下落。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤する マカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.25万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から2500人増の48.22万人。

マカオの最近の主要就業指標(※DSEC公表の図版をベースに作成)

 インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者数が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就業支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年に入って以降、5月中旬までに開催したジョブフェア等のマッチング機会を通じて5411人の就職を支援し、前年同時期から43%増加したとのこと。主な雇用主は統合型リゾート施設のホテルや飲食業、建設業、小売業で、これらが全体の約8割を占めたという。

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