「即時停戦を求める」上智大学長が「ガザ地区の人道危機」に声明を発表。イスラエル・テルアビブ大学との協定は継続の意向

上智大学

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上智大学の曄道佳明学長は5月28日、「ガザ地区の人道危機によせて」というタイトルで声明を発表した。

声明では、国際社会が「パレスチナ・ガザ地区に起きている人々の非人道的な状態」に極めて大きな憂いと憤りを抱いていることを踏まえ、「上智大学は、武力行使によって引き起こされる全ての人権侵害に反対するとともに、即時停戦と、人間の尊厳に基づく当該地域の人々の生活の回復、安全を求めます」と述べた。

また、同学の教育精神「For Others, With Others(他者のために、他者とともに)」にのっとり、「戦争は平和を破壊する暴力行為であり、本学の教育精神と真っ向から反するものです。上智大学は常に弱い立場の人々とともにあります」と主張した。

この声明に「他の大学も続いてほしい」などの反響が広がった一方、「虐殺(ジェノサイド)」「イスラエル」などについて直接言及しなかった点や、イスラエル・テルアビブ大学との協定について動きがない点などに批判的な声も上がった。

ハフポスト日本版が上智大学に取材したところ、テルアビブ大学との協定は研究交流を目的とした学術交流の協定で、学生の交換留学は含まれないという。

協定について今後の対応を聞くと、「テルアビブ大を含め、海外大学や研究機関との学術交流の係る協定は、自由で公正な議論と対話を通じた学術的な探究が目的であり、同大との協定を破棄する予定はございません」と回答した。

上智大学では学生らがイスラエル軍によるガザでの虐殺に抗議する声を上げ、テルアビブ大学との協定破棄などを求めてきた。学生らの抗議活動についてどのように受け止めているのか聞くと、以下のように回答した。

「本学は多様なバックグラウンドを持つ学生や教職員で構成されており、キャンパスは一人ひとりが臆することなく議論や意見を述べる場でなければならないと認識しています。異論の拒絶ではなく、異なる立場の相手を尊重する気持ちを持ってほしいと考えております」

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