『続 窓ぎわのトットちゃん』北京で出版記念イベント、「お互いを理解するきっかけに」と黒柳徹子さん

黒柳徹子さんの新刊『続 窓ぎわのトットちゃん』中国語版の出版記念イベントが、30日に北京で開かれました。

俳優、エッセイストの黒柳徹子さん(90)の新刊『続 窓ぎわのトットちゃん』中国語版の出版記念イベントが、30日に北京で開かれました。14年ぶりに訪中した黒柳さんは翻訳者、中国の児童文学者、「トットちゃん」を愛読する中国各地からの教育関係者やインフルエンサー、小学生ら約70人と1時間半にわたる交流会を行いました。

黒柳さんの代表作『窓ぎわのトットちゃん』は、中国では2003年に正式に翻訳出版され、これまでに1700万部を売り上げたロングベストセラーです。そして、新刊『続 窓ぎわのトットちゃん』は、日本での出版からわずか8カ月で、中国語版の出版が実現しました。黒柳さんはこれに対し「とてもびっくりしている」と語り、「トットちゃん」の成長に関心を持ち続ける中国人読者に謝意を伝え、「『窓ぎわのトットちゃん』にも『続 窓ぎわのトットちゃん』にも、私がおもしろいと思うエピソードを書きならべた。日本と中国の関わりの中で、何かお互いを理解するきっかけになってくれたらうれしい」とあいさつしました。

記念イベントにゲストとして出席した北京大学教授で児童文学者の曹文軒さん(70)は、「『窓ぎわのトットちゃん』の本当の主役は『教育』だ」と述べ、トットちゃんが通っていたトモエ学園と子どもの個性を尊重する小林校長を讃えました。また、黒柳さんの文章の構成や書き方にも着眼し、『窓ぎわのトットちゃん』の児童文学作品としての価値を高く評価しました。

イベントには、トットちゃんが通っていた「トモエ学園」の教育理念に心打たれ、中国各地に「中国巴学園」を創設し、活動を続けてきた北京市玉泉小学校元校長の高峰さん、深センを拠点に子ども向けの朗読活動を行い、中国で「トットちゃんゆかりの地をめぐる訪日ツアー」を主催してきた公益団体創設者の李迪さんが、自分たちの教育実践をそれぞれ紹介しました。また、小学生の時に母親の勧めで『窓ぎわのトットちゃん』を読んでファンとなったという上海在住の陳憧さんは、小林校長の「みんな、いっしょだよ」という言葉に励まされ、現在は母親と共に自閉症の子どもたちを対象にした「星学校」を運営していると語り、42年ぶりに続編を読むことができた喜びを伝えました。

中日両国の記者から質問を受けた黒柳さんは、中国人読者と触れ合った感想として、「私が想像したよりも皆さんとても明るくて、伸び伸びしている感じがする」と微笑みながら話しました。そして、「若者がそれぞれに『自分の花を咲かせたい』と考えるのは、時代や国境を超えて、みんな同じだと思う。何か一つでもワクワクすることを見つけてもらいたい。失敗を恐れないでほしい」と中国の子どもたちにエールを送りました。

黒柳さんは31日、北京外国語大学で「青春と読書」をテーマに特別講演会を行う予定です。(提供/CRI)

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