ファーウェイ・ジャパンが交流会、日本で「共に成長、未来を勝ち取る」目指す

ファーウェイ・ジャパンは東京都内で30日、パートナー交流会を開催した。侯涛社長によるあいさつなどでは、日本側パートナーとも日本社会ともウィンウィンの関係を構築していく考えが強調された。

華為技術(ファーウェイ)の日本法人であるファーウェイ・ジャパンは東京都内で30日、パートナー交流会を開催した。テーマは「共に成長、未来を勝ち取る 日本で、日本のために」で、日本側パートナーとも日本社会ともウィンウィンの関係を構築していく考えが強調された。

目標は年50%成長、欠かせないパートナーとの協業

あいさつに立ったファーウェイ・ジャパンの侯涛(ホウ・タオ)社長は、日本での売り上げでパートナーが果たす役割は極めて大きく、重要性はさらに増しつつあると説明した。同社としては、2024年から26年にかけて毎年50%以上の成長を実現するなどの目標を掲げているが、実現のためにはパートナーとの協力が欠かせないという。

侯社長は、日本におけるパートナーも急速に増えつつあり、パートナーを通じての売上高も伸びていると紹介し、ファーウェイは日本市場への投資を増やしていくと説明。ファーウェイの日本での事業は日本側パートナーとも日本社会ともウィンウィンの関係を構築していくと述べ、「成功を共有する」と強調した。

ファーウェイ・ジャパンはパートナーの成功を目的に、パートナーに対するトレーニングやインセンティブを設定し、関連ツールの提供などを行っている。また、実績を出したり早く提案をして早く取り組んだパートナーには、より多くの収益を得られる仕組みも構築しているという。

ファーウェイ・ジャパンの関係者によると、中国国内ではファーウェイが自力で営業活動をすることに大きな問題はない。しかし、日本のような国外市場の場合には、業界の仕組みが構築されており、商習慣の違いもあるので、現地のパートナーに多くを委ねた方が良い結果を得られる。そのためにも、国外市場のパートナーをより厚遇して、より大きな成果を出してもらえるようにしているという。

急速進化の現実に対応、開発努力が価格競争力に反映

同日の各種説明では、ファーウェイの新製品や新たなソリューションでは、24年になってから策定が完成したWi-Fi 7が大いに活用されていることが強調された。19年に実用化されたWi-Fi 6と21年のWi-Fi 6では、それまで6.9 Gbpsだった通信速度が9.6 Gbpsに引き上げられ、「マルチユーザー同時実行」「ネットワーク構築機能」が追加された。Wi-Fi 7では通信速度が23Gbpsに達し、「高帯域幅」「高信頼性」が加わった。

工場、商業施設、病院、教育機関などで情報通信の利用がますます高度化する現状にあって、Wi-Fi 7の活用はさらに必要になりつつある。ファーウェイは早い時期からWi-Fi 7の策定に参画しており、関連特許の保有率は世界最大の23%に達した。そのため他社に支払うライセンス料を大幅に削減でき、結果として自社ブランド製品の価格競争力を増強することが可能になった。

ファーウェイ・ジャパンの関係者の一人は、「ビジネスで押し付けは禁物」と説明した。どの国、どの市場にも「とりわけ必要とするものごと」がある以上、より求められるものを提案し、売り込んでいくことが肝要だからだ。日本市場も同様で、だからこそ日本の事情を熟知するパートナーの役割は大きいという。

現実に素早く対応、ケーブル盗難への対策も

またファーウェイのB2Bビジネスの特徴としては、顧客側のさまざまな状況、すなわち顧客によって大きく異なる事業規模や資金力に対応する提案をしていることがある。同日には新たな製品やソリューションの紹介もあったが、例えばホテル向けの光LANソリューションでは、5階建て程度までの小規模ホテルを念頭に置いたプランが示された。環境負荷と消費電力の節減や構成機器の大幅な削減、導入および運用コストの削減、さらに操作が簡単な長所もある。資金量がさほど多くなく、技術に詳しい従業員に乏しい事業者にとっての導入と運用における負担を大幅に軽減したという。また、同プランでは中枢機器である光ゲートウェイの使用電力が少ないことで放熱用のファンが不要となり、「騒音ゼロ」も実現した。

また、太陽光発電に関連しては、銅価格の高騰に伴いケーブル盗難が急増している状況にも対応した。通常の監視カメラを設置するだけでなく、不審者を識別して複数の言語で警告したり、光を照射するなどの機能があるという。一般的なホームセキュリティーでも、犯罪者は警備会社と契約していることを示されるだけで、リスクを恐れて侵入を見合わせる事例が多いとされる。「警告機能」を持った監視カメラを設置することで抑止効果は十分に発揮されると考えられる。

なお、太陽光発電施設の対策では、電力線が通らない場所に監視カメラなどを設置する場合も多い。この電力供給にはファーウェイがこれまで培ってきた携帯電話の基地局建設の経験が十分に生かされているという。

ファーウェイ・ジャパンの30日のパートナー交流会では、同社がパートナーを重視し厚遇する必然性と意欲が改めて示され、同時に製品やソリューションでは、同社が常に心掛けてきた最新技術の獲得とこれまでの蓄積がしっかりと結びつけられて、現場の需要をより広くより良く満たす提案力が一層強化されたことが明らかになった。(取材・構成/如月隼人)

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