今からでも遅くない新NISA 投資初心者の心得3カ条

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 2024年1月から新しい制度になったNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)が話題になっています。よく分からず、「出遅れた」と思っている人もいるのではないでしょうか。ファイナンシャルプランナー(FP)の岡田佳久さん(47)に基礎知識や銘柄の選び方、気を付けるべきことなどを聞きました。ポイントを紹介します。(聞き手・斉藤正志)

 ### ■「お金を育てる」

 -どんなメリットがあるのですか。

 「株式や投資信託などは、収益に約20%の税金がかかりますが、NISAを使えば非課税です。新制度になって、非課税枠で年間に購入できるのが、『成長投資枠』は240万円に、『つみたて投資枠』は120万円に拡大されました」

 -近年、NISAなど投資が注目されるのはなぜなんでしょう。 @@画像2

 「低金利で、定期預金では収益が得られない。物価の上昇もあり、お金を持っているだけだと、価値は目減りしていきます。だから、『お金を育てられる』として投資がクローズアップされています」

 ### ■一喜一憂しない

-「つみたて投資枠」で投資を始める際、どんなことに注意すればいいですか。

 「『長期』『積み立て』『分散』の三つが大切です。目先の値動きに一喜一憂するのではなく、5年、10年と長い目で見ていくことが必要です」 @@画像3

 -元本割れのリスクがあるのは怖いところです。

 「私もかなりの含み損を抱えたことがありますが、売却するときに増えていればいいと思っています。3年、5年以内に必要なお金ではなく、家計を見直して、余剰資金で運用するのがいいと思います」

 ### ■初心者の心がけ

 -長い目で見るのが大切なんですね。

 「初心者は『学ぶ』『慣れる』『実践する』を心がけてください。長期、分散、積み立てが大切なことなど基礎知識を学び、少額でまず購入してみる」

 「毎月千円でもいいんです。途中で含み損を抱えるのも経験です。正解は誰も教えてくれません。『何を買えばもうかるか』ではなく、『何を知ればいいのか』の視点が大切です」

 岡田佳久(おかだ・よしひさ) 明石市出身。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。商社勤務を経て、2004年に神戸市中央区にFP事務所を開設。著書に「女性のための後悔しない生命保険選び最新ガイド」(わかさ出版)など。

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