欧州主要リーグで活躍した日本人選手まとめ【2023/24】

写真:Getty Images

欧州でプレーする日本人サッカー選手は年々増えており、全て把握するのはどんどん難しくなっている。2023/24シーズンをデータとともに振り返り、ヨーロッパ主要国でプレーした選手について総括してみよう。日本人選手が実績を積めば、欧州クラブも獲得に前向きになり、Jリーグからヨーロッパに参戦する選手の励みにもなると思われる。

また、2024年はUEFA欧州選手権(ユーロ2024/6月14日〜7月14日)が開催される。「それが日本にどう関係があるのか」と思うかもしれないが、大きな大会を節目に大物選手が移籍したり引退を決断したりして、自ずと玉突き人事が発生するのである。ヨーロッパでプレーするこれらの選手たちに目が留まれば、さらなる躍進も見込めるだろう。


古橋亨梧 写真:Getty Images

2023/24最高得点は古橋亨梧(セルティック)

ヨーロッパの主要国1部リーグで2023/24シーズンに最も得点を決めた日本人選手は、セルティック(スコティッシュ・プレミアシップ)に所属するFW古橋亨梧の14得点5アシストだった(出場38試合2500分)。

セルティックは、ライバルのレンジャーズ(2位)に勝点8差をつけて独走状態で優勝。古橋が二桁得点を記録して優勝に貢献したことは評価すべきだ。一方、スコットランドは上位クラブとその他のクラブの実力差があり、国別UEFAランキングは12位となっている。

モナコ(リーグ・アン)に所属するFW南野拓実は、UEFAランキング5位のフランスで9得点6アシストを記録しており、こちらのほうが1得点の重みはあるだろう。

UEFAランキング6位のオランダでは、NECナイメヘン(エールディヴィジ)のFW小川航基が11得点1アシストと活躍した。日本に少ない大型センターフォワードだけに、活躍次第で日本代表のオプションが増えることが期待できる。


遠藤航 写真:Getty Images

センセーショナルさで際立った遠藤航(リバプール)

センセーショナルさでは、リバプール(プレミアリーグ)所属のMF遠藤航が際立っていた。29試合に出場して中盤になくてはならない選手となり、リーグ3位に貢献。30代でベテランの領域に入っている遠藤には当然のごとく即戦力になることが求められるが、イングランドで通用するかは未知数で長期契約を不安視する声もあった。しかし、シーズンが終了した今、誰もが遠藤の働きに納得しているはずだ。

同じくプレミアリーグのアーセナル所属DF冨安健洋は、負傷離脱などもあったが22試合に出場し2得点を記録。チームの準優勝に貢献した。金満マンチェスター・シティと最後まで競り合いを演じた冨安のシーズンが色褪せることはないだろう。

イタリア(セリエA)では日本人選手が途絶えた時もあったが、2023/24シーズンはラツィオに所属するMF鎌田大地が孤軍奮闘。ポジション争いに苦しんだ時期もあったが、振り返るとしっかりと結果を残したと言えるだろう。

久保建英 写真:Getty Images

ポテンシャルでピカイチ久保建英(レアル・ソシエダ)

日本人選手にとって難関であるスペイン(ラ・リーガ)のレアル・ソシエダで不動の地位を築いているのがMF久保建英だ。それでいてまだ20台前半なのだから、伸びしろは計り知れない。日本代表を長く背負っていく選手になることが期待される。

UEFAランキング5位のドイツ(ブンデスリーガ)でプレーするフライブルクMF堂安律も、7得点4アシストの数以上に高い評価に値する。久保同様に中盤の選手であって、ゴール前で常に得点を狙うタイプではないからだ。前線から少し引いたところで中盤と前線のつなぎ役を果たしながら、しっかり得点も積み上げた。


菅原由勢 写真:Getty Images

地味だが評価すべきは菅原由勢(アルクマール)

オランダ(エールディヴィジ)アルクマール所属のDF菅原由勢は、DFながら4得点7アシストを記録。まだ20代前半とあって今後の躍進が楽しみな選手だ。

同じくオランダではフェイエノールトのFW上田綺世が、出場時間(26試合814分)は限られたなかでしっかりと得点し(5得点2アシスト)チームの準優勝に貢献した。

ドイツ(ブンデスリーガ)ではボーフム所属のFW浅野拓磨が、チームは16位で降格プレーオフに回るも、6得点1アシストと気を吐いた。

プレミアリーグ、ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンのMF三笘薫は、惚れ惚れするほど切れ味が抜群のドリブルを魅せたが、怪我に苦しみ3得点4アシストに留まった。今後の復調を期待したい。


守田英正 写真:Getty Images

リーグ優勝を果たした日本人選手所属3クラブ

気になる欧州の国内リーグ順位だが、日本人選手が所属する主要国1部リーグ2023/24シーズンにおいては、3クラブが優勝を果たした。

ポルトガルのプリメイラ・リーガでは、MF守田英正の所属するスポルティングが優勝。

ベルギーのジュピラー・プロ・リーグで優勝を果たしたのはクラブ・ブルッヘで、MF本間至恩が所属する。本間自身は2試合10分と出場が限られたが、若くして欧州主要国リーグのタイトルを獲得した経験は貴重だ。

また、日本人5選手(FW古橋亨梧、FW前田大然、MF旗手怜央、DF岩田智輝、DF小林友希)が所属するセルティックは、スコットランド・プレミアリーグ三連覇を達成した。

三笘薫 写真:Getty Images

2023/24欧州主要国1部リーグ所属の日本人選手

プレミアリーグ(イングランド:UEFAランキング1位)

アーセナル(2位)
DF冨安健洋:22試合1141分・2得点

リバプール(3位)
MF遠藤航:29試合1720分・1得点

ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン(11位)
MF三笘薫:19試合1488分・3得点4アシスト

ルートン・タウン(18位、降格)
DF橋岡大樹:1試合90分(ベルギー・シント=トロイデン18試合1505分・2得点2アシスト)

セリエA(イタリア:UEFAランキング2位)

ラツィオ(7位)
MF鎌田大地:29試合1542分・2得点2アシスト

ラ・リーガ(スペイン:UEFAランキング3位)

レアル・ソシエダ(6位)
FW久保建英:30試合2154分・7得点4アシスト

ブンデスリーガ(ドイツ:UEFAランキング4位)

シュトゥットガルト(2位)
MF原口元気:2試合25分
DF伊藤洋輝:26試合2232分・2得点

フランクフルト(6位)
DF長谷部誠:8試合213分

フライブルク(10位)
MF堂安律:30試合2255分・7得点4アシスト

アウクスブルク(11位)
FW奥川雅也:8試合102分。(ハンブルガーSVに移籍)

ボルシア・メンヒェングラートバッハ(14位)
DF板倉滉:20試合1599分・3得点

ボーフム(16位、降格プレーオフ)
FW浅野拓磨:29試合2003分・6得点1アシスト

リーグ・アン(フランス:UEFAランキング5位)

モナコ(2位)
FW南野拓実:30試合2127分・9得点6アシスト

スタッド・ランス(9位)
FW伊東純也:31試合2723分・3得点7アシスト
FW中村敬斗:25試合1388分・4得点1アシスト(オーストリア・リンツ1試合45分)

エールディヴィジ(オランダ:UEFAランキング6位)

フェイエノールト(準優勝)
FW上田綺世:26試合814分・5得点2アシスト

アルクマール(4位)
DF菅原由勢:30試合2564分・4得点7アシスト

ナイメヘン(6位)
FW小川航基:31試合2208分・11得点1アシスト
MF佐野航大:24試合1591分・4得点3アシスト

スパルタ・ロッテルダム(8位)
MF斉藤光毅:21試合1670分・3得点5アシスト

フォレンダム(17位、降格)
GK長田澪:33試合2881分・33失点

プリメイラ・リーガ(ポルトガル:UEFAランキング7位)

スポルティング(優勝)
MF守田英正:29試合2145分

ファマリカン(8位)
MF行友翔哉:5試合419分

カーザ・ピア(9位)
MF相馬勇紀:32試合1897分・5得点3アシスト

ジル・ヴィセンテ(12位)
MF藤本寛也:32試合1908分・3得点7アシスト

ボアヴィスタ(15位)
MF渡井理己:13試合422分

ポルティモネンセ(16位、降格プレーオフ)
GK中村航輔:20試合1800分

ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー:UEFAランキング8位)

クラブ・ブルッヘ(チャンピオンズ・プレーオフ優勝)
MF本間至恩:2試合10分

サン=ジロワーズ(チャンピオンズ・プレーオフ準優勝)
DF町田浩樹:30試合2630分・1得点1アシスト

ヘント(ヨーロッパ・プレーオフ1位)
DF渡辺剛:35試合2327分・2得点2アシスト

シント=トロイデン(ヨーロッパ・プレーオフ3位)
FW岡崎慎司:7試合107分
MF伊藤涼太郎:36試合2500分・7得点4アシスト
MF藤田譲瑠チマ:25試合1058分・1得点2アシスト
MF山本理仁:33試合875分
DF小川諒也:7試合409分・1得点2アシスト
GKシュミット・ダニエル::13試合1170分・21失点
GK鈴木彩艶:32試合2880分・50失点

ルーヴェン(ヨーロッパ・プレーオフ4位)
MF三竿健斗:20試合855分・1得点1アシスト

スタンダール・リエージュ(ヨーロッパ・プレーオフ5位)
MF川辺駿:36試合2717分・7得点9アシスト

ウェステルロー(ヨーロッパ・プレーオフ6位)
MF松尾佑介:24試合1297分・2得点1アシスト

シャルルロワ(降格プレーオフ1位)
MF森岡亮太:23試合1016分

モレンベーク(降格プレーオフ3位、降格)
MF安部柊斗:34試合1887分・3得点1アシスト

スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド:UEFAランキング11位)

セルティック(優勝)
FW古橋亨梧:38試合2500分・14得点5アシスト
FW前田大然:28試合2176分・6得点3アシスト
MF旗手怜央:16試合986分・3得点4アシスト
DF岩田智輝:19試合927分・1得点1アシスト
DF小林友希:0試合

ハーツ(3位)
FW小田裕太郎:25試合987分・5得点1アシスト
FW田川亨介:13試合458分・1得点

スイス:スーパーリーグ(UEFAランキング12位)

セルヴェット(3位)
DF常本佳吾:30試合2576分・3アシスト

ローザンヌ(降格プレーオフ4位)
MF鈴木冬一:11試合232分・2アシスト

グラスホッパー(降格プレーオフ5位)
DF瀬古歩夢:36試合2902分・1得点

参照:Transfermarkt

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