4月21日に92歳で亡くなった人気ピアニストのフジコ・ヘミングさんをしのぶ演奏会が31日、総社市美袋の昭和五つ星学園義務教育学校アクティブキャンパス(旧昭和小)であり、ヘミングさんゆかりのピアノの調べに児童生徒、地元住民ら約260人が耳を傾けた。
ヘミングさんは戦時中に東京から祖父の出身地の総社市に疎開。同キャンパスには当時毎日練習で使ったというグランドピアノが保存されている。今秋公開予定のドキュメンタリー映画「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」製作の一環で2022年に同市を訪れ、同ピアノと77年ぶりに再会。児童の前で演奏会を開いた。
総社中の古川愛弓教諭(34)が同ピアノでショパンの「革命のエチュード」、ドビュッシーの「月の光」など3曲を情感たっぷりに披露。生徒らは「魂のピアニスト」に思いをはせながら演奏に聞き入った。
8年の男子生徒(14)は「初めて聞いた生演奏がヘミングさん。ワクワクと心が動かされた一生忘れない記憶」としのんだ。演奏会は市と市教委が主催した。