新潟水俣病被害者から環境省の姿勢問う声-政務官と意見交換【新潟】

新潟水俣病の被害者と環境省の国定政務官が直接意見交換

被害者は、強い言葉で国への不信感をあらわにしました。新潟水俣病の被害者と環境省の国定政務官が直接意見交換しました。公式確認から59年を経て、いまだ救済が果たされない状況に被害者からは環境省の姿勢を問う声が相次ぎました。

■環境省 国定勇人政務官
「マイクを切るという行為によって、その思いを踏みにじってしまったことに改めて環境省を代表致しまして心からお詫びを申し上げます。」

懇談会は、国定勇人政務官の謝罪から始まりました。熊本県で環境省職員が水俣病被害者の発言をさえぎった問題は、新潟の被害者にも波紋を投じました。
■環境省 国定勇人政務官
「水俣病こそが環境省の原点だということが常に職員にとって大切な言葉としていわれているが、この言葉が空虚なものになっていると改めて感じた。」

しかし、弁護士は2015年に新潟でも同じ対応があったと指摘します。
■中村周而弁護士
「9年前に環境省からきていただいたときに5分たったら、『もう発言辞めてくれ』ということで大問題になったが、なぜ同じような形で繰り返されたのか。」

■環境省 国定勇人政務官
「環境省が軽んじていたかということについて『そんなことはありません』と胸を張って言える状況ではない。」

被害者団体は、連名で環境省への9項目の要望書を手渡しました。そこには「被害者の信頼回復は何をもって図るのか」「水俣病の歴史と経緯をふまえて検討するというがその意味はどういうことか」など、国の姿勢への不信に満ちた言葉が並んでいます。
■環境省 国定勇人政務官
「何事も解決していくためには対話の積み重ね、これは基本中の基本。大臣は必ず意見交換の場を設けます、責任を持って橋渡しをさせていただく。」

原告団長を務める皆川栄一さんは、被害者の全員救済を訴えました。
■皆川栄一さん
「本当に頭の中がすっきりしない感覚がします。私たちには時間がありません本当に1日でも早い解決をのぞんでいるのが私たちの現状、私たちの切なる願いを環境大臣に伝えていただきたい。」

■環境省 国定勇人政務官
「改めて皆様方が苦しんでこられた思いを重く受け止めている。大臣に伝えたいと思う。」

■中村洋二郎弁護士
「このあいだ前田審議官と懇談あったが『とっかかりはこういうことを考えてるというところを宿題ですというのを前田審議官から大臣に伝えていただきたい』ということ(を伝えた)。その日、(回答を)出しますという話だったが、まったく出てない、いまなんとかお願いしてほしいと強くお願いしているわけですよ。」

■環境省 国定勇人政務官
「10日前に10日後に返すといえるほど59年は甘くない。」

懇談会に先立っては、「新潟水俣病の歴史と教訓を伝えるつどい」が開かれました。公式確認から59年。未だ救済が果たされない中で、政府の代表者に思いを伝えた被害者は…
■皆川栄一さん
「この先56年延ばされたら、もっと亡くなっていく、1日も早い救済策を考えてもらわないと困る」

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