ショッピングサイト詐欺「ネットリテラシー高い」と自負する50代が危ない?報道カメラマンも被害 富山

インターネットで買い物をしても商品が届かない“ショッピングサイト詐欺”の被害が増えています。日夜ニュースの取材に奔走するカメラマンもだまされました。さらに記者の家族も、同じような被害に…。2人とも自身が詳しい趣味の商品で被害にあっていました。詳しく取材すると、巧妙化する手口に加え、“ネットショッピングの慣れ”の怖さがみえてきました

インターネット通販が拡大する中、ショッピングサイトで商品を買っても、届かないといった詐欺被害が相次いでいます。

被害者はチューリップテレビのスタッフにも…。
五藤充哉カメラマン。壊れた電子機器を修理するのが趣味です。

五藤カメラマン:「3月の終わりくらいに、同僚のカメラマンから、手ごろなパソコンないかっていうので、お願いされて」

中古のパソコンをショッピングサイトで探したところ、相場の半額ほどの商品が見つかったといいます。

五藤カメラマン:「元々の定価が2万6000円というのが書いてあって、それに棒が引っ張って、半額。1万3000円。これは買いだなと思って」

4月、五藤カメラマンはコンビニエンスストアに行き、商品代金の1万3000円を電子マネーで支払いました。しかし、商品が届きません。

五藤カメラマン:「1週間経っても来ない。これはおかしいぞと。そこでこれは詐欺なんじゃないかと。(業者へ)問い合わせのメールを送りました」

メールを送った2日後、業者から返信があったといいます。

五藤カメラマン:「申し訳ありませんが、品切れです。代わりの商品を送りたいので、こちらのLINEから友達申請して手続きを踏んでくださいっていう、そういうメールが返ってきました」

だまされたと確信した、五藤カメラマン。
振り返れば、不審な点がいくつかあったといいます。

五藤カメラマン:「(購入する前の案内には)クレジットカード払い、銀行振り込み。ただ、『ショッピングカート』から『支払いの方法』に飛んでみたら『コンビニで電子マネーで払ってください』の一択。すべてがネットで完結するはずなのに、コンビニに行って買わなくちゃいかんというのが、どういうことだろうっていう」

さらに続きます。

業者のメール: 「我々は同等タイプのより良い品質のを提供して、あなたはいかなる差額を支払う必要はありません」

五藤カメラマン:「へんな日本語ですよね」

被害に遭った1カ月後、メールに記載されたURLからサイトを確認しようとしたところ…

五藤カメラマン:「見つからない。もうない。」

アクセスすることはできませんでした。

メール記載のURLはつながらなかったものの、
インターネットで商品名を検索すると…

五藤カメラマン:「この店の名前も全く同じ。この商品です」

購入したのと同じショッピングサイトで、まだ同じ商品が販売されていました。業者に電話で問い合わせようとしましたが…「この電話番号は現在使われておりません」のアナウンスが流れるだけ。手口が巧妙化していると感じたと五藤カメラマンはいいます。

五藤カメラマン:「普通のショッピングサイトとカートに入れるまで、カートに入れたあとの対応、大手と変わらない。今までそういうショッピングサイトとかオークションサイトとかいっぱい見て、いっぱい購入して、結構自信があったんですよね。引っかかっちゃたなっていう」

富山県消費生活センターによると、ショッピングサイトで商品を購入しても届かないといった相談件数は、過去10年で増加傾向にあり、おととしは、10年前のおよそ2.7倍になっています。

チューリップテレビの記者の50代の家族も、被害にあいました。釣りが趣味で、アカムツなどの高級魚を釣るためのリールをインターネットで探していました。

記者の家族:「廃番になっているシマノの商品なんですけど、性能が良いと思っててずっと探していました」

相場は1万円ほどだったといいますが、去年3月ごろ、半額近い値段で売っているのが見つかったといいます。

記者の家族:「1万円を切るような値段はなかなかないんですけど、そこも相手はよく見てて、6000円くらいの値段で。なかなかこんな値段はないぜと思って」

掘り出し物を見つけた感覚で、約6000円で商品を購入。確認のメールが届いたといいます。

記者の家族:「メールで返事が来たので『あ、これは大丈夫だったんだな』と思って、『ここに入金をしてくれればすぐ発送します』と」

そして、指定された郵便局の口座へ代金を振り込みました。しかし、いくら待っても商品は届きません。

記者の家族:「3日くらいで着くという話だったんだけど、なかなか届かないので、電話するとつながらないと。なんかおかしいなと思って警察に相談しに行きました」

警察に相談しましたが、
「振込先の郵便局に当たってください」
と言われたといいます。

一方、郵便局からは、
「口座に残高があれば被害者に返還することも可能な場合がある」
と言われ、手続きをしました。
しかし…

記者の家族:「しばらくして郵便局のほうから『もうこの受付はないことにしてください』みたいな感じで申請書類そのまま返ってきました。要は、郵便局としても結果が見えないということなので、あきらめてくださいと」

結局、お金は返ってきませんでした。

記者の家族:「やっぱりこんなうまい話はないなと。あまり知られていないサイトで値段が安いものは多分ないなと」

振り返れば、不審な点もあったといいます。

記者の家族:「相手の振込先が、今考えるとグエンなんとかって、ちょっと日本人じゃないカタカナの振込先でした。振り込んだ時に、『あれこれなんかあやしいぞ?』って今思うと、思うべきだったし」

こうした悪質な詐欺被害…
富山県警はを取材すると、人気の通販サイトを模倣した「偽サイト」の被害も相次いでいるといいます。

富山県警サイバー犯罪対策課・宮崎祥一次席: 「公式のロゴマークが盗用されていたり、一見して公式のURLを使っているかのように装ったり、検索の結果、公式サイトよりも上位に表示されている場合がありますので、公式サイトのURLであるか確認をお願いします」

被害に遭わないためには…。

富山県消費生活センターで悪質な通販サイトを見抜く4つのポイントを教えてもらいました。

運営者の氏名、住所、電話番号など、 正確な運営情報が記載されていない ▼正規販売店の販売価格よりも、 極端に値引きされている ▼日本語の表現が不自然である ▼支払方法が銀行振込のみで、 クレジットカードが利用できない

富山県消費生活センターの担当者: 「万一、トラブルにあったら、1人で悩まないで、早めに市町村相談窓口や県消費生活センターにご相談ください」

今回取材した被害者2人は、いずれも50代で、自身が趣味で詳しい分野の商品で被害にあっています。五藤カメラマンは取材に対し「ネットリテラシーは高い方だと思っていた」と話していました。こうした詐欺被害はお金を取り戻すことも難しいのが現状です、「自分は大丈夫」と思わず、購入前には一度落ち着いて、上記の対策ポイントを思い出すようにしましょう。

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