「沖ツラ」とうるま市、金武町、宜野座村がコラボ 勝連城跡やKINビーチ、道の駅をイラストでPR

 【うるま・金武・宜野座】沖縄を舞台にした“異文化ラブコメ”漫画「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」(沖ツラ)の作者・空えぐみさんが、うるま市、金武町、宜野座村をPRするイラストを制作した。東海岸地域の活性化を目指す3市町村で組織する「環金武湾振興協議会」の活動の一環で、沖ツラとのコラボレーション企画。漫画の背景に描かれている場所にファンが「聖地巡礼」として訪れており、3市町村ではイラストを活用した観光客誘致などにつなげたいとしている。(中部報道部・吉川毅)

うるま市のイラスト。晴れた朝の勝連城跡を背景に、華やかな衣装を着たひーなー(右)とかーなー

 〈ことば〉 沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(沖ツラ)  空えぐみさん作の漫画。新潮社のウェブサイト「くらげバンチ」で連載され、沖縄の文化や習慣をフィーチャーした“異文化ラブコメ”として話題に。単行本の累計発行部数は30万部を突破。テレビアニメ化も決定している。

 制作発表が5月31日、うるま市勝連南風原の勝連城跡あまわりパークであり、出席した空さんと各首長が3種類のイラストをPRした。3市町村それぞれの観光地を背景に沖ツラに登場する喜屋武飛夏(ひーなー)と比嘉夏菜(かーなー)、各自治体のPRキャラクターなどを描いている。

 うるま市のイラストは、晴れた朝の勝連城跡で城主の阿麻和利(あまわり)の衣装を着たひーなーと王女の百度踏揚(ももとふみあがり)の衣装を着たかーなー、市のPRキャラクター「うるうらら」などを描いた。金武町は「KINサンライズビーチ」、宜野座村は「道の駅ぎのざ」をそれぞれ背景にしている。

「KINサンライズビーチ」でタコライスを食べている金武町のイラスト

 漫画に登場するシーサーのお面をかぶり制作発表の会見に臨んだ空さんは「私はうるま市在住で、描いた地域の全てになじみがある。それぞれ取材して、目で感じたものを絵に落とし込んだ。イラストの場所も漫画で描きたい。コラボができてうれしい」と喜んだ。

子どもたちでにぎわう「道の駅ぎのざ」で特産物のイチゴを味わいながら楽しんでいる宜野座村のイラスト

 3市町村では、今後予定されている沖ツラのテレビアニメ化に合わせ、イラストを生かした周遊スタンプラリーやふるさと納税の返礼品などを展開する方針だ。

「沖ツラ」のイラストをPRする(左から)仲間一金武町長、中村正人うるま市長、空えぐみさん、當眞淳宜野座村長=5月31日、うるま市・勝連城跡あまわりパーク

 當眞淳宜野座村長は「沖ツラは子どもたちの心に入って、ウチナーグチなど沖縄の文化を知るきっかけになると思う。このコラボはびっくり」と笑顔。中村正人うるま市長は「イラストには夢や希望があるので、子どもたちにぜひ見せたい」と話した。仲間一金武町長は「地域を盛り上げるすてきなイラスト。アニメファンの皆さんが3市町村にぜひ訪れてほしい」と呼びかけた。

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