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岡山県吉備中央町の農業丸川清司さん(89)が所有する山林で、自生のササユリが年々見応えを増している。30年前から管理する丸川さんの努力によって株数は10倍以上の400株ほどに。山あいを吹き抜ける風に揺れ、一帯をほのかに甘い香りで包んでいる。
30年前は約3アールに30株が咲く程度。下草刈りや、イノシシによる球根の食害を防ぐための鉄柵と防護ネットの設置により、今では20アールに広がった。
今年は例年より10日ほど遅めの5月10日ごろに開花を確認。次々と満開を迎え、ササに似た細長い緑の葉に薄紅色の清楚(せいそ)な花弁が映えている。6月上旬まで観賞できそうという。
かつては里山で多く見られたが、山の荒廃で自生地が減少しているとされるササユリ。丸川さんは「子どもの頃は近所のどの山裾にもたくさん生えていた。手入れができる範囲だけでも、体が元気なうちは花でいっぱいにしたい」と話している。