関係人口創出 必要性説く 高橋さん(雨風太陽代表取締役)講演 市民大学【北上】

「都市と地方をかきまぜる」と題し講演する高橋さん

 東京証券取引所で新興企業対象の「グロース市場」に上場し、農水産物直売アプリなどを運営する雨風太陽(花巻市大通り)代表取締役の高橋博之さん(49)が5月30日、北上市本石町の日本現代詩歌文学館で開かれた北上市民大学で「都市と地方をかきまぜる」と題し講演。都市と地方、生産者と消費者がつながる重要性を説いた。

 同日は市民大学第2回講座で年間受講者、希望する聴講生合わせて約100人が来場。高橋さんは「都市と地方、生産者と消費者は本来、一体で切れない。都市は、食べ物を作り電力、人材を供給している地方に生かされ、消費者も生産者に生かされているが、消費者はスーパーで安いものを追求した結果、外国産に押され日本の農家が著しく減少した」と指摘した。

 その上で「変えるヒントを東日本大震災被災地で見つけた。被災地に入った都会の人は漁師に初めて会って手伝い、苦労を知ると共感し、顔の見える関係になればいい値で買おうとする」と説明。「地方には遊休資産があり、東京の人はわざわざお金をかけて来る。リモートワーク、副業、週休3日の働き方になり、今後は2地域居住の流れになる。中山間地域で週1、月1しか来れない人、素人でもできる仕事がある。都会の人が農村漁村に入り、いろんな地域の人がかき混ざればいい」と、関係人口創出の必要性を語った。

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