【巨人】戸郷翔征ノーヒッターから続く好投 2月に感じていた〝異変〟「過去6年で一番悪かった」

西武打線を封じ、5勝目を挙げた巨人・戸郷翔征

巨人・戸郷翔征投手(24)が31日の西武戦(ベルーナ)に先発し、7回3安打1失点と好投。チームは4―1で白星を飾り、自身も今季5勝目(2敗)をマークした。

前回登板の阪神戦(24日=甲子園)ではノーヒットノーランを達成した。この日は初回に一死三塁といきなりピンチを招くも、後続をしっかり打ち取って無失点スタート。その後もテンポのいい投球で、西武打線を圧倒した。7回には中村剛にソロを被弾したが、許した失点はこの1点のみ。抜群の安定感が光った。

試合後は「前回いい投球ができたので、そういう意味ではいい緊張感の中で臨めた。次はしっかりまた抑えられるようにやっていけたらなと思います」と振り返った。

今季も大役を務めた開幕戦から、ここまで順調な投球を続けている。だが、その一方で2月の春季キャンプを迎える際には「正直、今年は状態はあまり良くない」と「異変」も感じていた。

「感覚も全く違うし、やりたいこともできなかったですね。そのズレはすごい感じたし、過去6年間で一番悪かった。自主トレから全然あかんかったっすね。いいイメージが全くなかった」

毎年必ずと言い切ってもいいほど〝景気のいい意気込み〟を口にし、キャンプインを迎えていただけに「異例」とも思える発言。その理由についてあらためて聞いてみると、戸郷は「(自主トレ期間中に)なんか違うものを求めてたり、現状でいいのに、もっと違ういいものを探したりしてました」と述べ、試行錯誤の結果が空回りに終わっていたことを明かした。

それでも「状態が上がるまでは大変でしたけど、すごい良い発見がたくさんあった。変化をしないことには進化できないですからね」と語るなど〝失敗〟は決して無駄ではなかったようだ。

「ケガの功名」で得た経験が、快進撃を続けるGエース右腕の原動力となっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社