悠仁さまの学費は宮廷費ではなく皇族費から支出 国立大学進学が税金の節約にはつながらないワケ

秋篠宮さまと長男・悠仁さま(代表撮影)

【秋篠宮家の学校選び】#16

悠仁さまの大学選びをめぐって、にわかに警備問題を懸念する声が高まっている。有力視される東大や筑波大に進学した場合、警察や宮内庁は新たな警備体制の構築に迫られる。

「経費が跳ね上がるのは避けられない」と宮内庁OBは指摘するが、少なくとも国立に行くほうが私立より学費はだいぶ抑えられ、東大を選ぶのは一見、理にかなっている。これまでも悠仁さまは幼稚園~中学はお茶の水女子大付属、高校は筑波大付属とずっと国立で通してきた。だが、国家予算的にはそうしたことが節約につながっているわけではないという。学費は各宮家に支給されている皇族費の中から支払われるが、「学費の額によって、皇族費が増減するわけではない」からだ。

2024年度に秋篠宮家に支払われる皇族費は年間1億2250万円。この中から学費を含む生活費をやりくりする。

「支給された皇族費は“お手元金”と呼ばれ、各宮家が自由に使える。私的な用途と判断すれば、ここから出費することになる。5年前に秋篠宮さまが紀子さまと悠仁さまを伴いブータンを訪問した際は私的な旅行の色合いが強かったため、お手元金が使われた」

■秋篠宮家側が拒否

実は悠仁さまの学費については、小学校に上がる際、公費である宮廷費で賄うとの提案が宮内庁から秋篠宮家に示されていた。天皇本家(内廷)の男子に対する通例だったが、悠仁さまは宮家皇族の立場なので、この条件には当てはまらない。しかし、明仁天皇(現上皇)の孫世代で唯一、皇位継承権を有していることを考慮。宮内庁が特例で対応しようとしたところ、秋篠宮家側が断った。

「世間の目を意識した面もあるでしょうが、悠仁さまの教育はこれまでの慣習にとらわれないとの意思表示だった」と宮内庁OBは振り返る。

ただし、通学にともなう警護にかかる費用は皇族費とは別。あくまでも、警察や宮内庁の業務の一環として行われ、皇族費からの支出はない。東大や筑波大に通うことになれば、新たなルートの確保が必要となる。さらに多くの人員を投入しなければならず、莫大な経費がかかってくるのは必至。教育は私的行為としながらも、そこにかかる警備費の負担増には「血税が投入される」ことになるのだ。

「秋篠宮ご夫妻が息子のために何が最適か考えてお決めになるのは当然としても、関係者の間では無理をしすぎているとの声も出始めている」と皇室記者は話す。

「慣習からの逸脱が方々に歪みを招いていることに秋篠宮さまも気づかれている。悠仁さまの学校選びに関し学歴偏重との見方が出ているのもご存じのようです。これまでの経緯からそう簡単ではないにしても、ここにきて他校に比べ警備の負担がずっと少ない学習院大に目が向きだした」

悠仁さまは戦後、一度も学習院の敷地に足を踏み入れたことのない唯一の皇族。もし学習院大を選ぶ場合は推薦入試での入学を目指す公算が高いが、「秋篠宮家の決断はまだ先」のようだ。

(田中幾太郎/ジャーナリスト)

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