大谷がスランプを極短期間で乗り切れるナゾ解き 首位打者も狙える“ハンパない”適応力

大谷翔平(C)共同通信社

日本時間5月30日に46打席ぶりの14号本塁打を放った大谷翔平(29=ドジャース)。

なかなか一発が出なかったのは、けん制球を左太もも裏に当てられた影響といわれる。打撃の状態は確かに芳しくなかったかもしれないが、それでも非凡さを示すデータがある。

ここまで出場した55試合で、2試合続けて安打がなかったのは5月8、9日のマーリンズ戦の一度だけ。3戦以上、無安打が続いたケースは皆無なのだ。

大谷はそもそもスランプが短い。「日本にいたころから、なぜ、思うような打撃ができなかったのか、原因と課題をあぶり出して短時間のうちに修正してしまう。それも首脳陣の助言を聞き流して、自力で解決する。適応力がハンパじゃなかった」とは日本ハムOB。

今季は右肘手術明けで打者専念という背景が持ち前の「適応力」に磨きをかけているという。

「肘の手術で上体に負荷をかけづらかった分、オフは徹底的に下半身を鍛えた。これまで以上に走塁に力を入れようと、キャンプではダッシュを繰り返した。下半身を強化したことが、結果として打撃面でもプラスに作用している。下半身が安定したことで、確実性もアップしたのです」(特派員のひとり)

スランプがほとんどない大谷でも21年には6試合、22年は5試合連続無安打がある。当時と比べても、今季は確実性がかなりアップしている。

31日現在、打率.330は、トップのアラエス(パドレス)と2厘差のリーグ3位。トップと2本差の本塁打王のタイトルはもちろん、今季は初の首位打者も十分、狙えそうだ。

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