一体だれが何のために?「47億円を遺産相続」のガセ情報を信じた米国の女がパートナーを毒殺する悲劇

仲睦まじかった頃の2人(スティーブンさんのフェイスブックから)

米ノースダコタ州で起きた愚かで悲惨な毒殺事件に注目が集まっている。

ことの起こりは、同州マイノットに住むスティーブン・ライリーさん(51=写真左)が「遠い親戚から3000万ドル(約47億円)の遺産の相続人に指定された」と知らされたこと。

スティーブンさんはこれを信じ、遺産を独り占めするために、長年のパートナーだったイナ・シーア・ケノイヤー(47=同右)と別れることを画策。2人の間にはすでに成人した息子がいる。

イナは莫大な遺産の事実とスティーブンさんが自分を捨てようとしていることを知り、激怒。昨年9月3日、スティーブンさんの飲み物に不凍液を混ぜて飲ませたのだ。

スティーブンさんはその後、「遺産相続の手続きをするために弁護士と会う」としてマイノット国際空港に行き、そこで嘔吐するなど体調を崩して病院に救急搬送された。そして2日後に亡くなってしまった。

遺体解剖の結果、体内からは不凍液の成分で有害なエチレングリコールが検出され、マイノット市警は10月5日、イナをスティーブンさん殺害容疑で逮捕した。

それで3000万ドルの遺産はどうなったのか?

同市警によると、これが「根拠のない全くのでたらめ」だったというから驚きだ。何者かがスティーブンさんをだまし、それを信じたスティーブんさんはイナと別れようとし、イナもそれを信じたために毒殺してしまったのだ。

5月29日に行われた罪状認否でイナは有罪を認めた。終身刑が科せられる見通しで、8月14日に判決が下される予定。

悪魔のささやきのようなでたらめを、誰が、何の目的でスティーブンさんに吹き込んだのかは、まだ分かっていない。

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