元日に発生した能登半島地震から1日で5カ月。津波で大きな被害に見舞われた上越市のなおえつ海水浴場では、関係者が例年通り7月中旬のオープンを目指して海の家(浜茶屋)の準備を進めている。
なおえつ海水浴場は遡上(そじょう)高4・5メートルとされる津波が襲い、海の家の資材や厨房(ちゅうぼう)機器、音響用のスピーカーなどが被災した。津波による大量の漂着物が海岸を覆ったため、県と上越市が被災直後から撤去を行ってきた。直江津浜茶屋組合によると、被災額は1億円に上るという。被害額の大きさから7軒あった海の家のうち、すでに2軒が今夏の営業を断念したという。
5軒は今後、資材や厨房機器の調達を進め、6月中に建物を建築する予定だ。資金は、県を通して国に補助金を申請中。桑原尚二組合長(59)は「県と市に感謝している。とにかく頑張って、お客に安心して来てもらえるよう、安全対策もしっかりやりたい」と話す。最も多く利用する長野県の海水浴客にも復旧をPRする考えだ。
なおえつ海水浴場の安全祈願祭は毎年7月1日。桑原さんによると、今年も同日に行う予定。
◇住宅全壊2件 上越市
上越市によると、能登半島地震による住宅などの被害は5月30日時点で全壊2件、大規模半壊9件、半壊34件、準半壊21件、一部損壊1201件。災害ごみの搬入は車両1661台分(5月2日で支援終了)。