「一発かまさないと」 橋添穂が目指すリランキング突破への下克上ストーリー

リランキング突破へ! 橋添穂が新潟で躍動(撮影:佐々木啓)

<ヨネックスレディス 初日◇29日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6339ヤード・パー72>

昨年の下部ステップ・アップ・ツアーで初優勝を飾った橋添穂が5バーディ・1ボギーの「68」をマーク。4アンダー・4位タイの好発進を決めた。

ハイライトは、7番パー3で奪ったこの日5つ目のバーディ。7番アイアンで放ったボールはコロコロとカップに向かっていき、あわやホールインワンのスーパーショット。わずか5センチにつけて、タップインバーディを奪った。「打ち出したときも良い感触でしたし、計算通りだったと思います」と、満面の笑みで振り返った。

今季はQTランキング33位で初めてレギュラーツアーに本格参戦している。ここまで13試合に出場して予選落ちは10回。レギュラーツアーの壁にぶつかっている。「開幕からショットの調子が上がらなくて、課題に追われる日々を送っていた。でも、最近はコースと向き合ってゴルフができるようになったので、調子は上がってきたかな」。直近2試合は予選を通過しており、明るい兆しもある。

2週間後の「ニチレイレディス」終了後には第1回リランキングが実施される。これはQTなどで決まった開幕時の出場優先順位をシーズン途中に入れ替える、というもの。30位前後が中盤戦のほとんどの試合に出場できる目安となるが、橋添は現在、49位につけている。

暫定表とにらめっこをする日々を送っている。「私は本当に追い詰められてるので、一発かまさないといけない」。中盤戦の職場確保、そして初シード獲得に向けても、この試合にかける思いは強い。

「距離があまりないですし、私向きのコースだと思う。いい滑り出しができましたし、このチャンスをモノにする以外はないかな」。言葉の節々から感じるその“危機感”。23歳が一発逆転の下克上を目指す。(文・神吉孝昌)

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