海でもあり湖でもあり川でもある!?京都北部「久美浜湾」の不思議を学ぶ

久美浜湾で養殖されているカキやトリガイについて舩越さんから学ぶ児童たち(京丹後市久美浜町・久美浜小)

 京都府京丹後市久美浜町の久美浜小学校で、府海洋センター(京都府宮津市)の舩越裕紀さん(37)を講師に招いた授業があった。久美浜湾について学習している4年生20人が、湾内のプランクトンや養殖されているカキやトリガイ、水質の特性を学んだ。

 授業で舩越さんはまず「久美浜湾は海、湖、川のいずれですか」とクイズを出題。「久美浜湾は出口が狭い海『閉鎖性海域』、淡水と海水が混じった『汽水湖』でもあり、海とも湖ともいえる。湾に流れ込む川の出口でもあるので、川の一部といっても間違いではない」との説明に、児童は興味深く聞き入っていた。

 また、「全国に88カ所ある閉鎖性海域のうち、久美浜湾は最も閉鎖的で、川から流れ込んだ栄養分が湾にとどまりやすくなる」と特徴を解説。「栄養分を摂取する植物プランクトンが増え、それを餌とするカキやトリガイの養殖が盛んに行われている」と話した。

 茶色く濁ったような水の色は、プランクトンが豊富な証しなどと紹介し、「栄養状態のバランスが大切。久美浜湾をどんな海にしていくのか考えてみよう」と語りかけた。

 女子児童(10)は「久美浜湾のことをもっと調べたくなった」と話した。

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