次世代太陽電池実用化へ 福島県大熊町が実証実験 県内初、復興へ再エネ地産地消構築

ペロブスカイト太陽電池が取り付けられた台(手前)で発電し、蓄えた電力で照明などを稼働できるか調べている実証実験

 福島県大熊町と東芝エネルギーシステムズは31日、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向けた実証実験を始めた。同社によると、福島県内で初めての試み。町役場本庁舎の一角にペロブスカイト太陽電池を設置して発電し、蓄えた電力で照明などを稼働できるかどうか実証する。再生可能エネルギーの地産地消の仕組みを構築し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興につなげる。

 ペロブスカイト太陽電池を2枚ずつ取り付けた曲面型の台を、本庁舎1階の窓際に計2台設置している。蓄電池とつなぎ、さらにタブレット端末や照明と接続して、電力を活用できるかどうか調べている。

 実証期間は約2週間の予定。東芝エネルギーシステムズ次世代太陽電池開発部の宮内裕之参事は「ペロブスカイト太陽電池の発電量や有効的な活用法を探り、実績を積み上げたい」としている。

 ペロブスカイト太陽電池は軽量で薄く、従来の太陽電池では設置が難しかったビルの壁面や車体のような曲面でも使える。町と同社は2022(令和4)年に協定を結び、2025年までにペロブスカイト太陽電池を町内に本格導入してゼロカーボンを進める目標を掲げている。

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