疲れたママ、救われた居場所 慰め、励ましてくれる人がいれば 思い同じのスタッフが運営

「ママが主役、子育て中の母親たちの居場所でありたい」と話すNPO法人子育てママ応援塾ほっこり~の代表の内海千津子さん=蕨市中央2丁目の「ほっこり~の蕨中央」

子育てママ応援塾ほっこり~の代表(蕨市) 内海千津子さん

 「NPO法人子育てママ応援塾ほっこり~の」代表の内海千津子さん(53)は、蕨市内2カ所で公設民営の多機能型地域子育て支援センターを運営している。一時預かりや産後ケア、居場所づくり、母親の就労支援などを通じて子育てを後押しする。

 内海さんは「ここではママが主役。子育て中の母親の居場所でありたい」と運営への思いを話す。自身も2児の母。働きながら、また、専業で子育てをして感じたのは「両方大変」との思いだった。「育児は緊張の連続。赤ちゃんはかわいいのに、寝不足でいらいらしたり、体が疲れたり、寝ていても『息をしているか』『ちゃんと育つのか』と」

 かつて、ママ友の「先輩」から笑顔で声をかけられた。「内海さん、疲れているね」。自宅に招かれ、温かいコーヒーを振る舞われた。「息子さん、見ていてあげるよ」。「やんちゃだった息子の面倒を見てもらい、冷めていない飲み物をいただいて、どれだけ救われたか」。2011年に起業。「うまくいかない時は自分を責めてしまいがち。ママ自身が癒やされ、自己啓発し、仲間をつくれる、子育て中の母親たちの居場所が必要。寄り添い、慰め、励ましてくれる人がいれば救われる」

 「ほっこり~の蕨塚越」「ほっこり~の蕨中央」では専門職の元保育士、幼稚園教諭、栄養士らをはじめ、思いを同じくする子育て経験者がスタッフを務めている。最近では県外からの視察も相次ぐという。内海さんは「ここは子育てのサードプレイス(第3の場)。運営ノウハウを全国に広げ、母親同士の共助拠点としたい」と話している。東京都出身。

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