予算10万円で何が買える? お得なユーズドカメラ&レンズを探しに行ってきた

By 藤井智弘

本格的な一眼カメラが欲しい。でも予算は抑えたい。そう考えている人におすすめなのが数世代前のUSED (中古) カメラ。十分な性能で圧倒的に安い、おトクなカメラを探しに出掛けてみた。

おじゃましたのはこちら! フジヤカメラ本店
JR中央線中野駅から徒歩数分に立地する1938年創業のカメラの名店。本店の1階、2階には新品、中古のデジタルカメラ、フィルムカメラがぎっしり並ぶ。買い取りサービスも充実。

より低予算ならフルサイズデジタル一眼レフが狙い目だ

カメラを始めたい人に、どんなカメラがおすすめか、中古も豊富なフジヤカメラ本店の首藤さんにうかがった。

「時代は一眼レフからミラーレスへ移り、カメラを始めたいという方もミラーレスから探す方が多いですね。ミラーレスでしたら、キヤノン EOS R10がエントリー機ながら本格操作できておすすめです。しかも小さくて軽い。中古なら価格もレンズ込み10万円強なので始めやすい機種です」

しかし近年のミラーレスは新型機の価格が上昇していて中古も価格が下がりにくく、中級機以上は予算オーバーになりやすい。

「そこで注目なのが一眼レフです。2世代ほど前でしたら、かつてプロがメインで使用していた機種も予算内で狙えますよ」

首藤さんがおすすめしてくれたのが、「キヤノン EOS 5D Mark II」だ。

「カメラとしての作りの良さが魅力ですね。特に光学ファインダーの見やすさは、初心者の方は感動すると思います。画質もまだまだ一級品。良いカメラで始めれば撮影が楽しくなって、上達も早いと思います」

やや年代は古くても、あえてフルサイズの高級機を手にすることで、本格的なカメラの楽しさ、スマートフォンでは得られない写真の世界が堪能できるとのこと。

フィルム一眼レフも、やはり高級機の「ニコン F3」がおすすめ。こちらもプロ仕様機の作りの良さ、使い心地の良さが味わえる。一眼レフでフィルム撮影を楽しみたい人は注目だ。

フジヤカメラで見つけた約10万円で手に入る「本腰撮影システム」

キヤノン EOS 5D Mark II + EF50mm F1.4 USM

カメラ 48,400円、レンズ 23,100円

フルサイズならではの画質と高級感あるボディが魅力の一眼レフ
2008年発売で16年前の機種だが、手軽にフルサイズの高画質が得られる。ガッチリしたボディや見やすいファインダーは高級機ならでは。レンズはわずかに曇りがあるが描写に影響はなし。スマートフォンでは得られないボケが楽しめる。7万円強で多くのプロが愛用したカメラとレンズが手に入るのは、お得感がとても高い。

キヤノン EOS R10 + RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM

カメラ 86,900円、レンズ 17,600円

コンパクトで連写性能も高い優秀APS-Cミラーレスカメラ
中古ではあるが、現行バリバリのモデル。エントリー機ながら前後にダイヤルを持ち、メカシャッターで15コマ/秒の連写が可能。幅広いシーンに対応する。しかもコンパクトで軽量なので、女性にも扱いやすい。レンズも標準ズームを選択。発展し続けるミラーレスで写真を始めるなら、イチオシの組み合わせだ。

ニコン F3 + Ai Nikkor 35mm F2S

カメラ 47,300円、レンズ 27,500円

80年代の憧れの名機をお手ごろ価格で楽しもう
ニコンFMシリーズと並んで、フィルム一眼レフの定番機種。80年代ニコンのフラッグシップ名機だ。電子制御だが非常に堅牢で、現在でも安心して使用できる。絞り優先オートを搭載し、初心者でも扱いやすいのもポイント。このF3は裏ブタがデータバックMF-14。日付入りの写真が撮れるタイプ。

ニコン F-501 + Ai Nikkor 35mm F2S

カメラ 3,300円、レンズ 27,500円

本格的なAF一眼レフがおこづかい価格で手に入る
1986年に登場のニコン初の本格AFシステム一眼レフ。発売から40年近いとは思えないほどキズやスレが少なく、おこづかい価格の3,300円。MFのAiニッコールレンズの装着時にはMF一眼レフとして使えるので、初めてのフィルム一眼レフにおすすめだ。

コーナーチェック!

キヤノン

APS-Cサイズデジタル一眼レフが高コスパ
キヤノンのフルサイズミラーレスも豊富に在庫。ただし価格は10万円オーバーがほとんど。APS-Cの一眼レフは、「EOS 70D」や「EOS 80D」が4~6万円台、「EOS 7D Mark II」も6万円前後なので買い得感が高い。一眼レフで小型にシステムを構築したい人におすすめだ。

フルサイズミラーレス
APS-C一眼レフ

ソニー

少し古い機種はバッテリーのことも考えたい
フルサイズは「α7 II」が高い実用性を持ち、約7万円と手ごろ。ただし「α7 III」以降と比べてバッテリーが小さいのがネックだ。ショット数が多い撮影では予備バッテリーを多めに用意したい。APS-Cでは「α6400」が携帯性に優れ、AFも速く8万円前後で狙い目だ。

フルサイズミラーレス
APS-Cミラーレス

ニコン

6~8万円前後のデジタル一眼レフやミラーレスをターゲットにしよう
デジタル一眼レフは「D610」が6万円前後。扱いやすいフルサイズ機が手軽に購入できる。ミラーレスのZは、APS-Cの「Z 50」が8万円前後。現行機なので安心感も高い。フィルム一眼レフの「ニコン F3」は5万円台で、名機らしい作りの良さがうれしい。1型センサー搭載ミラーレスの「Nikon 1」は1万円台。コンパクトカメラ感覚で楽しめる。

デジタル一眼レフ
ミラーレス
フィルム一眼レフ

富士フイルム

人気の高いXシリーズは残念ながら高プライスだ
新品のラインアップが整理され、入手も困難になってから中古の相場も上昇。「X-E4」は16~18万円台まで値段が上がってしまった。ほかの機種も同様で、残念ながら予算10万円では難しい。予算を上げるか、新品を狙いたい。

オリンパス / OM SYSTEM

小型で優秀なマイクロフォーサーズミラーレスのお買い得品を探そう
「OM-D E-M10 Mark III」が5万円台で購入できる。小型軽量ながら本格的なスタイルを持ち、マイクロフォーサーズらしい軽快な撮影が楽しめる。現行の「OM-D E-M10 Mark Ⅳ」は7万円前後。画質や手ブレ補正も進化しているので、予算があればこちらも候補に。

フィルムカメラを使うならフィルム事情もチェックしておこう

フィルムはデジタルとは異なる使用感や仕上がりが楽しめるが、価格もチェックしておこう。カラーネガとモノクロは1,500円前後から。リバーサルは1本3,600円もする。また全体的に入荷数も少ないので、在庫切れに注意だ。

フジヤカメラ本店

住所 東京都中野区中野5-61-1 中野タツミビル
営業時間 10:00〜20:30
定休日 年中無休
TEL [1F] 03-5318-2241 [2F] 03-5318-2222
アクセス 中野駅から徒歩3分
URL https://www.fujiya-camera.co.jp

新宿 北村写真機店では入門者に最適の優良USEDを探索! 『CAPA』2024年5月号電子版でご覧ください。

※各価格は、取材時の店頭品の価格です (税込)。

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