【初賞与】新社会人。夏のボーナスが楽しみです。どのくらいもらえそうでしょうか?

新社会人に夏のボーナスを支給する企業は86.1%

株式会社産労総合研究所(東京都千代田区)の「2023年度 決定初任給調査 」(調査時期:2023年4〜5月、調査対象:会員企業および上場企業360社)では、86.1%の企業が新卒入社者に何らかの夏季賞与を支給しているとのことです。支給しない企業は8.9%とのことで、支給する企業の割合が圧倒的に高い傾向です。

また、同調査では、何らかの夏季賞与を支給する企業の支給方法について、以下のように伝えています。

・一定額(寸志など)を支給:64.5%
・在籍期間の日割り計算で支給:18.7%
・日割り以外の一定割合で支給:12.3%

最多は、寸志などの一定額を支給する方法でした。寸志とは、「相手に対する少しの気持ち」「心ばかり」といった意味を持っています。

4月入社の新社会人の場合、夏のボーナス支給日に在籍していますが、算定期間を過ぎている、またはわずかの期間であった可能性が高いです。寸志ではなく、業務考課や能力考課、情意考課に対する適切な額が支給されるのは、冬のボーナス以降になると考えておくとよいでしょう。

大学卒・高校卒ともに支給額は5万~10万円未満

産労総合研究所の同調査によると、新卒入社者の夏季賞与の平均支給額は「大学卒9万6732円」「高校卒7万9909円」とのことです。なお、2022年の同調査では「大学卒8万9334円」「高校卒7万3848円」でしたので、2023年の平均支給額は前年より大学卒で約7000円、高校卒で約6000円高くなっています。

なお、支給額の分布は5万〜10万円未満(大学卒:40.0%、高校卒:48.0%)が最多でした。

初任給額の水準

一般財団法人労務行政研究所(東京都品川区)の「2024年度 新入社員の初任給調査」(調査時期:2024年3~4月、調査対象:東証プライム上場企業152社)による、学歴別初任給水準は、図表1のとおりです。

【図表1】

一般財団法人労務行政研究所「2024年度 新入社員の初任給調査」より筆者作成

なお、23年度初任給と比較した上昇率(同一企業における)は、大学院卒修士5.9%、大学卒5.4%、短大卒6.2%、高校卒6.5%とのことです。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均賞与は72万円

国税庁長官官房企画課の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通して勤務した給与所得者1人当たりの平均賞与は約72万円(男性:約92万円、女性:約44万円)です。賞与割合は、平均給与と手当に対して18.5%(男性:19.4%、女性:16.4%)でした。

平均給与は約458 万円(男性:約563万円、女性:約314万円)となっており、男女の金額差がある状況です。

新社会人も夏のボーナスをもらえる可能性は高いが支給額は低めの傾向

新卒入社者に何らかの夏季賞与を支給する企業は、8割を超えています。4月に入社したばかりの新社会人が、夏のボーナスを支給できる可能性は高いです。しかし、ボーナスが支給されたとしても、賞与の算定期間を過ぎていたり、過ぎていなくてもわずかな期間だったりすることから、支給額は低いと認識しておくとよいでしょう。

支給する際に、一定額(寸志など)、在籍期間の日割り計算、日割り以外の一定割合というように、企業によって支給方法は異なります。

新社会人の夏のボーナスは支給額が低かったとしても、冬のボーナスは夏以上に多く、勤続年数を重ねれば支給額は増えていきます。また、業務考課や能力考課、情意考課によって支給額を増やすことを期待できるので、仕事に真面目に取り組み、結果を出すことを目指してみてください。

出典

株式会社産労総合研究所 2023年度 決定初任給調査
一般財団法人労務行政研究所 2024年度 新入社員の初任給調査
国税庁長官官房企画課 令和4年分 民間給与実態統計調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社